当記事は、コナン・ドイル著『シャーロック・ホームズの冒険』の書評です。
今回は、短い時間でサクッと読める推理小説をご紹介します。
じっくり読み込んで、トリックや犯人を推察する……推理小説の醍醐味ですよね。
ですが、忙しくてゆっくり本を読む時間が持てない方も多いのではないでしょうか。
そんな忙しいあなたのために、読みかけにならずに数十分で完結する推理小説をご用意しました。
あなたにとっての、良き一冊となりますように。
『シャーロック・ホームズの冒険』あらすじ
著者の名前も作品名も、聞いたことがあるという方は多いのではないでしょうか。
出身地のイギリスだけでなく、世界中で今もなおファンの多いコナン・ドイル。
とりわけ、このシャーロック・ホームズのシリーズはベストセラーとなっています。
本書は1話40〜50ページのショートストーリーが10編収録されており、1話完結型ですのでどこから読んでも大丈夫。
難解な事件をいとも簡単に解決してしまうホームズの洞察力に、読み終わる頃にはスカッと爽快な気分になること間違いなし。
ぜひ手にとってみてください。
『シャーロック・ホームズの冒険』感想・レビュー
驚いたのはトリックの豊富さ。今でこそ定番となったトリックも当時は斬新なものであり、コナン・ドイルが築き上げた分野もあるのだとか。
謎解きのワクワク感に加え、ホームズと相棒のワトスンくんの掛け合いもクスリと笑えて、妙にクセになる読後感でした。
今もなお、ファンが多い理由がわかるような気がします。
3つのポイントに整理して、本の感想をお伝えします。
POINT1. ホームズのキャラクターに注目
主人公のホームズは、警察も解説できなかったような難解事件をさらりと解決してしまう非常に優秀な探偵です。
ですが、そんな彼の人柄はとっても強烈で個性的。
常識外れな行動をとったり、相手が誰であろうと歯に衣着せぬハッキリとした物言いをしたりと、私生活ではけっこう「ヤバい人」。
ですが、それこそが彼の最大の魅力でもあるんですよね。
常識人である相棒の「ワトスンくん」が、彼に振り回されることでより彼の破天荒さが際立ち、はじめこそびっくりしてしまいますが、読み進めるうちに愛着が湧いてきて、いつの間にかそんな彼を好きになってしまうから不思議です。
おなじみの友人に会うような感覚で、リラックスしてページを捲ってみて下さい。
POINT2. 推理だけではない、推理小説の楽しみ方
本書は1話完結型のストーリーが10編収録された短編集です。推理小説で短編形式をとっているのは珍しいですよね。
そのため、多くの長編推理小説のように読者に考える時間は与えられていません。
しかも、ホームズは非常に優秀な探偵ですので依頼人とのちょっとした会話の中から、あっという間に事件解決の糸口を見つけてしまいます。
ですので本書の面白味は「推理」ではなく、解決後の「種明かし」にあります。
そう、私たちはワトスン君とホームズの後日譚によってやっと真実に辿り着くことが出来るわけですが、この形式がなんだか癖になってしまうんですよね。
多角的な視点を持つことで、限られた中からたくさんの情報を得ようとする感覚は、意外と為にもなります。
POINT3. トリックの豊富さに驚き
毎回同じ展開なのになぜ飽きないのか。それは、トリックの豊富さにあるのではないでしょうか。
著者のコナン・ドイルは、シャーロック・ホームズのシリーズを通して密室、暗号、偽装殺人から毒殺に至るまで、現代の推理ものに登場するトリックをほぼすべて完成させたとも言われています。
ショートストーリーですぐに完結するのに、トリックの内容は超一流。このギャップが本書を面白くしているポイントではないでしょうか。
なるほど!と思わず手を打ちたくなる種明かしは必見です。
『シャーロック・ホームズの冒険』感想・まとめ
今回は、短い時間でサクッと読める推理小説をご紹介しました。
ゆっくり時間がある時に……と、読書から遠ざかってしまっている方でも大丈夫。
思い立った時、ページを開けばいつでもホームズが事件を解決に導いてくれます。
寝る前のほんのひと時に、ぜひ手にとってみてください。