『ジキル博士とハイド氏』感想・レビュー・あらすじ。人にはいろんな面がある

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本記事は『ジキル博士とハイド氏』の書評です。

ベストセラーとなった名作ですので、タイトルは知っているという方も多いのではないでしょうか。

あるいは、比喩として使われることも多いので何となくストーリーの想像がついている方もいるかもしれません。

ミステリー小説として面白いのはもちろんのこと、自分の内面を見つめ直すきっかけをくれる1冊です。

あなたにとって、良き1冊となりますように。

『ジキル博士とハイド氏』とは?

イギリス出身の作家であるロバート・L・スティーヴンソンが、1886年に発表したミステリー小説。

日本では1994年に翻訳されると話題となり、これまで何度も映画化、ドラマ化されてきた。

『ジキル博士とハイド氏』あらすじ

ロンドンで弁護士業を営んでいるアタスンは、友人のジキルから遺言状を預かっていた。自分が死亡、3ヶ月以上行方不明、もしくは不在だった場合、恩人であるハイドに全財産を譲渡するという内容のものである。不審に思ったアタスンは、憎悪を抱かせるハイドを調べようとするものの、ジキルに止められてしまう。その後、街で殺人事件が発生して──。人間は一者ではなく二者から成るものである……善悪の二面性に焦点を当てた世界的名作。

『新訳 ジキル博士とハイド氏』ロバート・L・スティーヴンソン著 角川文庫出版 (2017/4/25)より引用

友人のジキル博士から預かった遺言状に、どうもおかしな点がある──。そんなところからストーリーは始まります。

ジキル博士の様子も何だかおかしく、不安感を抱えたまま、次々と周囲で起きる不可解な事件。

アタスンは友人を救うことができるのでしょうか?手に汗握る世界的名作ミステリー。

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『ジキル博士とハイド氏』感想・レビュー

物語全体にずっと漂っている不穏な空気、少しずつ明らかになる真実、そして衝撃の独白。

最初から最後までずっとドキドキしっぱなしで、本書が世界的ベストセラーとなった理由がわかる気がしました。

ミステリー小説としてはもちろん面白いのですが、自分との向き合い方についても考えさせられるストーリーでした。

ポイントを3つに絞ってお伝えします。

POINT1.ストーリー構成が秀逸

本書は文庫本で130ページ程と短めです。

そのため展開が早く、次々と明らかになっていく真実に続きが気になってしまい、私は1日で読み切ってしまいました。

ストーリー構成も練られていて、たった130ページとは思えない物語の厚みを感じます。

ストーリーテラーも章ごとに入れ替わり、複数の視点から語られることによって段々と辻褄が合ってきて、最後まで読者を飽きさせずにハラハラドキドキさせられます。

ミステリー好きにはたまらない1冊です。

POINT2.時代背景に触れる

物語の舞台は1880年代のイギリス。

当時は産業革命が進み、植民地をたくさん抱えていたイギリスは「世界の工場」と呼ばれるほど力を持った国として繁栄の時期を迎えていました。

ストーリーの登場人物たちも医師や弁護士など、いわゆるエリートでいい家に住み“お手伝い”を雇っています。

一見いい暮らしをしているようですが、身分によって格差があること、工場から立ち昇る煙で空は曇り空気が悪いこと等も描かれており、結核を患っていた著者からの、世間に一石を投じるようなメッセージを感じました

こういった時代背景も、立派な人間でなければならないとジキル博士を追い詰める要因となったのでしょうか。

海外で描かれた小説を読むと、お国柄や時代背景から別の価値観に触れることが出来るのも魅力の一つだなと感じました。

POINT3.自分とどう向き合うか

今回のストーリーは、ジキル博士の“完璧であろうとする自意識”が招いてしまった結果だと思うのですが、これをあなたはどう感じるでしょうか。

本書は「人の二面性」をテーマにしていますが、一人の人格と言っても関わる人や立場によって距離感も話し方も変わるのは当然ですよね。

いろんな自分がいていいと思うのですが、ジキル博士はそれが許せず心のバランスを崩していきます。

このストーリーから、自分とどう向き合うか、幸福感の保ち方のヒントがもらえる気がしました。

『ジキル博士とハイド氏』の著者について

『ジキル博士とハイド氏』の著書であるロバート・L・スティーヴンソンは、イギリス出身の作家。

結核に苦しみ44歳という若さでこの世を去るが、冒険小説や恋愛小説などジャンル問わず多数の作品を遺した。

出世作には冒険小説の名作『宝島』がある。

『ジキル博士とハイド氏』まとめ

今回は、海外ミステリーの名作『ジキル博士とハイド氏』をご紹介しました。

あっという間に読み切れますので、普段あまりミステリーを読まない方でもトライしやすい作品です。

案外自分を受け入れ、許すきっかけをくれるかもしれません。

ぜひ手に取ってみてください。

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