『ゴーストハント1 旧校舎怪談』感想・レビュー・あらすじ|背筋がゾクっとするミステリー

『ゴーストハント1 旧校舎怪談』感想・レビュー・あらすじ|背中がゾクっとするミステリー
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当記事は小野不由美著『ゴーストハント1 旧校舎怪談』の書評です。

今回ご紹介する小説は、ミステリー&ホラー小説。

旧校舎を取り壊そうとすると怪奇現象が起きる女子校が舞台となっています。

怖いけれど、続きが気になってしまう。夜にベッドで一人きり、ドキドキしながら読むとしましょう。

それでは、どうぞ。

目次

『ゴーストハント1 旧校舎怪談』あらすじ

『ゴーストハント1 旧校舎怪談』あらすじ

学校の旧校舎には取り壊そうとすると祟りがあるという怪奇な噂が絶えない。心霊現象の調査事務所である渋谷サイキックリサーチ(SPR)は、校長からの依頼で旧校舎の怪奇現象の調査に来ていた。高等部に通う麻衣はひょんなことから、SPRの仕事を手伝うことに。なんとその所長は、とんでもなく偉そうな自信家の17歳になる美少年、渋谷一也(通称ナル)。調査に加わるのは個性的な霊能者たち。ミステリ&ホラーシリーズ第1弾。

『ゴーストハント1 旧校舎怪談』小野不由美著 角川文庫出版 (2020/6/25)より引用

主人公の麻衣が通う高校には、今にも崩れそうな旧校舎がある。廃屋同然なのに取り壊されないのには理由があって……。
原因不明の怪奇現象に女子高生と霊能集団が挑む、ホラーミステリー第1弾。

タイトルからわかる通り、本書はシリーズものの1巻め。全7巻で、もともとは1989年に『悪霊シリーズ』として出版されたシリーズを改稿し、2010年に刊行されたのだそう。

ホラー小説と聞くと読後感が悪いのでは……と懸念される方でもこれなら大丈夫。

たしかに怪奇現象が起きたりしてゾッとするシーンもありますが、主人公の麻衣とキャラの濃い霊能集団とのやりとりがシュールで、ツッコミどころ万歳。おかげで恐怖感がだいぶ中和されています。

普段ホラー小説を読まない方も、はじめてのホラー入門書にしてみてはいかがでしょうか?暑い夏にぴったりの怪談小説。ぜひ手にとってみてください。

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『ゴーストハント1 旧校舎怪談』感想・レビュー

『ゴーストハント1 旧校舎怪談』感想・レビュー

読んでみると、この本が「ホラー」だけでなく「ミステリー」にも分類されている理由がわかります。

怪奇現象が起きるシーンでは背筋が凍るような恐怖感があるのですが、霊能者たちがそれを解明するターンでは科学に基づいた論理的な考察も登場するので、自然現象?ポルターガイスト?はたまた人災……?なんて推理しながら読めるのは、ミステリーならでは。

怖いけど、気になる。ページを捲る手が止まらない。そんな気持ちであっという間に読み切ってしまいました。

3つのポイントに整理して、本の感想をお伝えします。

POINT1. 個性的なキャラクター設定

本書の最大の魅力。それは登場人物のキャラ設定ではないでしょうか。今回旧校舎の調査に集められた、霊能集団の面々をここでご紹介させてください。

・若干17歳にして心霊現象の調査事務所の所長を勤める、自信家で美少年の通称・ナル
・ド派手な見た目に、性格もキツい巫女さん
・口の悪い、ロン毛の破戒僧
・コテコテの京都弁を操る外国人のエクソシスト
・日本人形のような見た目の(着物姿)有名な霊媒師

とっても濃いですよね?1度に登場するには、パンチが効きすぎです(笑)
怖い話のはずなのにクスリと笑えるシーンも多いのは、この強烈な霊能者たちが原因解明に協力するどころか口を開けば口論ばかりで、全然調査が進まないから(笑)

笑えるシーンもちょくちょく挟んであるので、ホラーが苦手な方でもご安心を。

POINT2. 幽霊って本当にいるの?

ストーリーは、主人公の麻衣と同級生が怪談を語り合うシーンから始まります。

ですが、そんな彼女たちも「幽霊を本気で信じているわけではなく、面白いから話しているだけ。」というスタンスで、基本的には信じていません。

では、なぜおかしな怪奇現象が起きるのか?
私も幽霊は信じていない質ですが、プロの霊能者でも説明のつけられない怪奇現象にハラハラドキドキさせられっぱなしでした。

この「わからない」状態がずーっと続くのが本書のポイント。「わからない」のが、1番こわいですもんね。このあたりの恐怖の煽り方はさすが、数々のホラー小説を生み出した小野さんならではだなと思いました。

POINT3. ホラーなのに読みやすい

個性あふれるキャラクターは前述した通りですが、中心となるのは主人公の麻衣と、若干17歳で調査事務所の所長を勤める通称・ナル。
自身家で他者を見下しがちなナルに対し、小生意気な性格の麻衣。まぁこの2人、相性が悪い(笑)

ひょんなことから調査を手伝わされることになった麻衣は、幽霊に対する知識はなにもありません。対してナルはその道のプロですから、専門知識があり次々と調査を進めていきます。はじめのうち麻衣は、そんなナルに質問攻めして鬱陶しがられ、口論になってしまいます。

ですがこの「質問攻め」こそが、本書を読みやすくしているポイントとなっていて。
麻衣を通して怪奇現象の推理と解説を聞くことができるので「オカルト感」が薄く、推理小説のような雰囲気で読み進められます。
脇役が濃いのに対し、主人公をあえてごく普通の女子高生にしたのはこういった効果も狙っていたのかもしれませんね。

ストーリーが進むにつれ麻衣にも知識がついてきて、それをきっかけに少しずつ変化する2人の関係性にも注目です。

『ゴーストハント1 旧校舎怪談』感想・まとめ

次々と起こる怪奇現象に、手に汗握る展開。

普段はホラー小説を読まない方でも、ゾッとする怪談で夏の終わりを感じる……そんな読書体験も、たまにはいいのではないでしょうか?

ただし、背筋がゾッとして眠れなくなるかもしれないのでご注意を……。

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この記事を書いた人

これまでに何百冊もの小説を読んできました。その中から特に心に残った一冊を、少しずつ書評としてまとめています。

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