『パンとスープとネコ日和』感想・レビュー・あらすじ|もやっとしたときに読みたい作品

『パンとスープとネコ日和』感想・レビュー・あらすじ|「もやっ」としたときに。
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当記事は群ようこ著『パンとスープとネコ日和』の書評です。

今回ご紹介する物語の主人公は、自分のこだわり・価値観を信じてお店を営む女性。

こう書くと強い女性のように感じますが、悩みながら前に進もうとする姿は、とても共感できるものがありました。

自分の考え方に自信が持てない時、迷ってしまった時に読みたい、背中を押してもらえる1冊です。

あなたにとっての、良き一冊となりますように。

目次

『パンとスープとネコ日和』とは?

パンとスープとネコ日和』は、2012年に角川春樹事務所より出版されたヒューマン小説。

会社を辞め、自分の店をはじめたアキコがさまざまな問題と向き合いながらも強く、前向きに暮らしていく様子が共感を呼び人気シリーズとなっている。

2021年12月現在、5巻まで刊行されており、WOWOWでドラマ化もされている。

『パンとスープとネコ日和』あらすじ

『パンとスープとネコ日和』あらすじ

唯一の身内である母を突然亡くしたアキコは、永年勤めていた出版社を辞め、母親がやっていた食堂を改装し再オープンさせた。しまちゃんという、体育会系で気配りのできる女性が手伝っている。メニューは日替わりの〈サンドイッチとスープ、サラダ、フルーツ〉のみ。安心できる食材で手間ひまをかける。それがアキコのこだわりだ。そんな彼女の元に、ネコのたろがやって来た——。泣いたり笑ったり……アキコの愛おしい日々を描く傑作長篇。

『パンとスープとネコ日和』群ようこ著 ハルキ文庫出版 (2013/7/18)より引用

亡くなった母がやっていた食堂を改装し、サンドイッチとスープのお店をはじめたアキコ。母の食堂とのあまりの違いに今までの常連さんは寄りつかなくなり、ご近所さんからも小言を言われてしまう始末……。

いろいろな問題と折り合いをつけながらも、自分の考え、コンセプトは変えない。そんなアキコの姿勢に共感し、勇気をもらえます。

2021年12月現在、5巻まで刊行されているシリーズもので、映画化もされています。作中に出てくる美味しそうなサンドイッチとスープも再現されていて、原作の雰囲気がそのまま味わえますのでこちらもおすすめ。

自分の価値観との向き合い方、周囲との付き合い方……人間関係に悩んだ時、立ちどまって一息つきたい時に、ぜひ手にとってみてください。

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『パンとスープとネコ日和』感想・レビュー

『パンとスープとネコ日和』感想・レビュー

主人公・アキコが自分のお店を通して、悩みや迷いと向き合っていくストーリーなのですが、お店の雰囲気はとてもゆったりとしていて、読んでいてあたたかい気持ちになれました。

時には心ないことを言われ、何を大切にするべきか悩みながらひとつひとつ決断していくアキコの姿は、私たちの日常ともリンクする部分が多く共感できましたし、今の自分の視野や考え方をあらためて見つめ直すきっかけにもなりました。

3つのポイントに整理して、本の感想をお伝えします。

POINT1. ブレずに自分の軸を持つ

「できるだけいい食材を使って、ひとつひとつ丁寧に作って出す。」とこだわるだけあって、アキコが作るサンドイッチとスープは本当に美味しそう。

いろいろな調味料でごまかすのではなく、素材の味を引きだすために時間をかけて調理する姿はプロだなと思いました。

ですが、なにをいいと思うかの基準は人それぞれで。アキコの母がやっていた「早い、安い、うまい」大衆食堂のようなお店が好きだったお客さんは、遠のいてしまいます。

次第にアキコのお店を良いと思ってくれる、母の食堂とはまた別の客層が集まってくるのですが、すべての人に気に入ってもらうというのは難しくても、自分の想いや、ゆずれないことをしっかりと守っていれば、共感してくれる人は必ず集まってくるんだなと教えてもらいました。

簡単なことではないけれど、この姿勢はマネしたいものです。

POINT2. さまざまな価値観との向き合い方

古い価値観、良かれと思って、「普通」はこう……主人公・アキコの周りには「あなたのためを思って」さまざまなことを言ってくる人がいます。私たちの生活の中にもいますよね。

アキコは作り置きはしないスタイルなので、完売したらお店は終了なのですが、お客さんが来るならもっとやった方がいい。と小言を言ってくる人もいて……。

そんな意見に時には傷つき、悩みながらも自分なりのお店を作り上げていく姿は日頃、私たちが同じ思いをした時にどう向き合うべきなのか、とても勉強になりました。

突っぱねるでもなく、何でもかんでも受け入れるのでもなく、自分はこうだ。と言い切ることはなかなか難しいことですが、なにを大切にするべきなのか

心の持ち方を考えさせてくれます。

POINT3. ネコの「たろ」がかわいい

タイトルにもある通り主人公・アキコのもとには、ひょんなことから一緒に暮らすことになったネコの「たろ」がいます。

唯一の身内を失って、ひとり暮らしになってしまったアキコの心の支え。仕事が終わって家に帰るとまとわりついてくる「たろ」。
これがもう、アキコにとっても読者にとっても、最大の癒しポイントになっています(笑)

いろいろ悩みはあるけれど、この「たろ」との時間が束の間の癒しとなって、物語全体をほっこりとやさしい雰囲気にしてくれるのです。

『パンとスープとネコ日和』の著者について

パンとスープとネコ日和』の著者である群ようこは、日本の小説家・随筆家。

出版社に在籍していた頃に作家デビューし、以来小説とエッセイを数多く執筆している。

自身の体験をセキララに綴ったエッセイが特に人気で、主に女性からの支持を受けている。

『パンとスープとネコ日和』感想・まとめ

いろいろあるけれど、次の休みには時間をかけて美味しいスープを作ってみようかな。

この物語には、そんなふうに思わせてくれる、心を豊かにしてくれる空気感があります。

作る余裕はなくたって、買ってきたサンドイッチとスープをお供に読んでみるのもいいかもしれません。

なんだか疲れてしまった時、立ち止まりたい時にぜひ手にとってみてください。

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この記事を書いた人

これまでに何百冊もの小説を読んできました。その中から特に心に残った一冊を、少しずつ書評としてまとめています。

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