『おやすみ、東京』感想・レビュー・あらすじ|疲れた時に読みたい1冊

『おやすみ、東京』感想・レビュー・あらすじ|忙しいあなたへ
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当記事は吉田篤弘著『おやすみ、東京』の書評です。

今回ご紹介する作品は、タイトル通り人々が寝静まった「」に活動している人たちを描いたストーリー。

1話10分程度で読める連作短編集ですので、本を読む時間がない忙しいあなたでも少しずつ読み進められます。

物語に漂うちょっぴり不思議で静謐な雰囲気は、寝る前のリフレッシュタイムにもぴったり。

あなたにとっての、良き一冊となりますように。

目次

『おやすみ、東京』とは?

おやすみ、東京』は、2018年角川春樹事務所より出版された吉田篤弘の小説。

12話のストーリーからなる連作短編集。真夜中に繰り広げられる、ちょっぴり不思議な物語。

『おやすみ、東京』のあらすじ

『おやすみ、東京』のあらすじ

東京、午前一時。この街の人々は、自分たちが思っているよりはるかに、さまざまなところ、さまざまな場面で誰かとすれ違っている―映画会社で“調達屋”をしているミツキは、ある深夜、「果物のびわ」を午前九時までに探すよう頼まれた。今回もまた夜のタクシー“ブラックバード”の運転手松井に助けを求めたが…。それぞれが、やさしさ、淋しさ、記憶と夢を抱え、つながっていく。月に照らされた東京を舞台に、私たちは物語を生きる。幸福な長篇小説。滋味深く静かな温もりを灯す、12の美味しい物語。

Amazonより引用

舞台は東京、午前1時。物語はひそやかに進行していきます。

深夜まで働く映画会社の社員、タクシードライバー、コールセンター勤務のOL……忙しない日々の中で、ひょんなことから次々と繋がっていく不思議な縁。

最後にはほっこりとあたたかい気持ちになれる、心に優しいヒューマンストーリー。

1話10分程度で読める連作短編集ですので、寝る前に少しずつ読み進めることもできるのですが、次々と繋がっていくストーリー展開に夢中になること間違いなし。

ぜひ手にとってみてください。

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『おやすみ、東京』の感想・レビュー

『おやすみ、東京』の感想・レビュー

物語を通して感じたのは「心地よさ」。

問題を今すぐに解決させようとしないゆったりとしたストーリー展開が特徴的で、日常の中で本当にこれでいいのかな?と迷う気持ちをそっと肯定してくれるような、そんな安心感がありました。

舞台は東京の街ナカなのですが、そうとは思えない静謐な雰囲気が漂っています。理由は、ストーリーが進行する時刻が午前1時だから。

連作短編集なのですが、どのストーリーもすべて午前1時から始まるんです。面白いですよね。

12話とストーリー数は多いのですが、登場人物が少ないので1人1人のキャラクターとバックグラウンドがしっかり描かれているのも魅力的でした。

3つのポイントに整理して、本の感想をお伝えします。

POINT1. 疲れた心をほぐしてくれるストーリー展開

本書はストーリーによって語り手が変わるのですが、どの人物もほんの少し不器用で、後悔や不安を抱えて生きているようです。

1話の語り手である「ミツキ」も、のんびりやで世の中のスピード感についていけず、婚約中の彼がいながら結婚が決断できずにいます。

ですが、作者の吉田さんはそんなミツキを優柔不断でダメなやつ。という描き方はせず「そういう時もある」というおおらかさで受け止めているように感じました。

私たちの日常には、たくさんの「こうあるべき」「こうしなければ」が溢れていますが、本書を読んでいるとありのままの自分でいいんだと肩の力が抜けていくようでした。

「常識」に捉われて疲れてしまった時、そっとあなたの心をほぐしてくれるかもしれません。

POINT2. 出てくる食べ物がおいしそう

ストーリーには様々な食べ物が登場します。

ミツキが深夜に探しまわることになってしまった「びわ」、ハムエッグ定食、コークハイ……夜に読むことをおすすめしておきながら、お腹が空いてしまうかもしれません……笑

それぞれの食にまつわるエピソードも思い出が詰まっていて、物語のキーポイントにもなっているので注目です。

POINT3. 登場人物のキャラクター設定

連作短編集なので、1話では脇役として出てきた人物が2話の主人公になるなど、次々とストーリーが繋がっていく様子が面白くて一気に読了してしまいました。

語り手も変わっていくので、1人の人物のいろいろな一面が見られるのも連作のいいところですよね。

年齢も職業もさまざまなので、あなたも読み終わる頃には登場人物の誰かに自分を重ね合わせてみたりして、このままでもいいのかもしれない、そんな時もあるよね。と少し気持ちが軽くなっているといいな、と思います。

『おやすみ、東京』の著者について

おやすみ、東京』の著者である吉田篤弘さんは、少し変わった経歴の持ち主です。

小説家でありながら、本の装幀やデザインなんかもされていて、個展をひらくなど実にさまざまな活動をされています。

独特な着目点と文体が特徴的で、一度彼の世界観に引き込まれると、病みつきになること間違いなし。

読了後はほっこりとあたたかい気持ちにさせてくれるストーリーばかりですので、疲れた時におすすめです。

『おやすみ、東京』を読んだ感想・まとめ

なんだか最近忙しい、気持ちに余裕がない、そんな方におすすめしたい『おやすみ、東京

毎日1話、10分ずつの楽しみにするもよし、休日前に夜更かししながら一気読みするもよし。

読了後、今のままでもいい、明日も頑張ろう。と背中を押してくれる、そんなきっかけになれば幸いです。

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この記事を書いた人

これまでに何百冊もの小説を読んできました。その中から特に心に残った一冊を、少しずつ書評としてまとめています。

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