『ジヴェルニーの食卓』感想・レビュー・あらすじ。芸術に触れる

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当記事は原田マハ著『ジヴェルニーの食卓』の書評です。

名画にまつわるストーリーを収録した短編集。

芸術の知識は特にない私でも楽しめましたのでご安心を。アートに興味を持つきっかけをくれるかもしれません。

目次

『ジヴェルニーの食卓』とは?

『ジヴェルニーの食卓』は2013年に集英社より刊行。

誰もが知るアートの巨匠・モネやマティスにまつわるストーリーが4つ収録されています。

第149回直木賞候補にも選出された。

『ジヴェルニーの食卓』あらすじ

ジヴェルニーに移り住み、青空の下で庭の風景を描き続けたクロード・モネ。その傍には義理の娘、ブランシュがいた。身を持ち崩したパトロン一家を引き取り、制作を続けた彼の目には何が映っていたのか。(「ジヴェルニーの食卓」)新しい美を求め、時代を切り拓いた芸術家の人生が色鮮やかに蘇る。マティス、ピカソ、ドガ、セザンヌら印象派たちの、葛藤と作品への真摯な姿を描いた四つの物語。

『ジヴェルニーの食卓』原田マハ著 集英社文庫出版 (2015/6/30)より引用

『ジヴェルニーの食卓』は、1900年代初頭に活躍した画家・モネやマティスにまつわるエピソードを収録した4つのストーリーからなる短編集。

誰もが知る名画はどのように誕生したのか?史実に基づくアート小説。

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『ジヴェルニーの食卓』感想・レビュー

筆者は、もともと原田マハさんの作品が好きだったのでこの作品にも出会えた訳ですが、芸術には特に詳しくありません。

それでも充分に楽しむことができたので、本書は事前知識なしで楽しめる、アートの入門書にピッタリの作品だと感じました。

これを機に、気に入った画家の他の作品も調べてみよう、美術館にも行ってみたいな、とアートへ興味を持つきっかけをくれた作品です。

楽しみ方を、3つのポイントに絞ってお伝えします。

アートの入門書に最適

ストーリーに出てくる画家の名前や作品名を検索してみてください。

「あぁ、これか。」と、誰もが1度は見たことのある作品が出てきます。

著者の原田マハさんは、美術館で勤務していた経歴の持ち主ですから、その作品が描かれた時代背景や画家の人物描写まで丁寧に綴られています。

ですので、美術に関する知識のない筆者でも“置いてきぼり感”は一切なく、なんとなく聞いたことのあった「印象派」という言葉がどういう意味なのか知ることができました。

新しい知識を得る楽しさが味わえます。

芸術の存在意義を考える

アートは何のためにあるのか。

本書を読んで浮かんできたこの疑問に答えはないと思うのですが、時代背景によって芸術の存在意義は随分と変わってきたようです。

例えば、今回収録されたストーリーは、1900年代前半のフランスが舞台となっているのですが、この時代は戦争を挟むことで世の中の流れが大きく変わっていきます。

画材道具を買うために、なんて私的な理由から、時には世界中に国力を示すため博覧会で飾る絵の制作依頼なんかもあったようで、何となく知っていた1枚に政治的な思惑や知られざるストーリーがあることを知り驚きました。

現在、私たちがアートに求める事は何でしょうか。

インテリアとして楽しむため。安らぎや癒しを求めて。などなど人によって様々かと思いますが、制作過程に触れることで見方が変わり、より作品を楽しめるようになると感じました。

異国を味わう

舞台はフランス。パリを中心に4つのストーリーが収録されています。

筆者は海外を舞台にした作品を読む時、日本と違う街並みや食事、暮らしが味わえることが醍醐味だと思っています。

家にいながら旅行気分が味わえるなんて最高だといつも思っています。

しかも本書は100年ほど前のストーリーですので、文化の違いも感じることができます。

たった100年でこんなに暮らしや文化が変わったのかと驚きを感じながら、画家たちと周囲を取り巻く人々のパリでの暮らしを堪能してみてください。

『ジヴェルニーの食卓』の著書について

著者である原田マハさんは、日本の小説家。

以前は美術館でキュレーター(※)をされていたという異色の経歴の持ち主で、その時の知識を活かした美術館やアートを題材とした小説を中心に、多数の著書を執筆されています。

(※)キュレーターとは、博物館・美術館・図書館のような文化施設において、施設の収集する資料に関する鑑定や研究を行い、学術的専門知識をもって業務の管理監督を行う専門管理職

『ジヴェルニーの食卓』感想・まとめ

今回は、芸術に人生を捧げた画家たちのストーリーをご紹介しました。

普段、アートに触れる機会がない方でも気軽に楽しめる1冊となっています。

次の休日は、名作のバックストーリーに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

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