『萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ』感想・レビュー・あらすじ|気合いを入れたいときに

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当記事は吉永南央著『萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ』の書評です。

今回ご紹介するのは、コーヒー豆と和食器のお店を営む76歳のおばあさんが主人公の小説です。

度胸があり、ほんの少しお節介。そんな性格を活かして、街の人々のちょっとした「揉め事」を次々と解決していきます。

時には相手のために苦言を呈してくれる優しさに、読み終わる頃には気合いが入って背筋もしゃんとなることでしょう。

あなたにとっての、良き一冊となりますように。

目次

『萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ』あらすじ

『萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ』あらすじ

観音さまが見下ろす街で、コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営む気丈なおばあさん、杉浦草。人々を温かく見守り続ける彼女は、無料のコーヒーを目当てに訪れる常連たちとの会話がきっかけで、街で起きた小さな事件の存在に気づく。

『萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ』吉永南央著 文春文庫出版 (2011/4/8)より引用

主人公の「お草さん」は、常連客たちの何気ない会話から、ちょっとしたいざこざや揉め事を察知し、解決に導きます。

言いにくいことや、つい見過ごしてしまいそうなことを「なあなあ」にせず、正面切ってぶつかっていくお草さんは本当にカッコよくて、実際にこんな人が身近にいてくれたらなぁ……なんて思ってしまいました。

本書はシリーズものの1巻めで、(2021年12月現在)8巻まで出版されています。

ですが1巻毎にストーリーが完結するので続けて一気に読まなくても大丈夫。そろそろ、お草さんに喝を入れてほしいな……そんな時に少しづつ読み進めてみてください。

出てくるコーヒーがとても美味しそうで、お草さんのお店のように和食器に淹れて飲みたくなったりして。コーヒーブレイクのおともにぜひどうぞ。

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『萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ』感想・レビュー

『萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ』感想・レビュー

読み終わってまず思ったのは「こんなお店が近所にあったらなぁ」ということ。迷ったり悩んだりしたときに「お草さん」に相談してアドバイスをもらったり、ときには叱られたりしたいな。と思ってしまいました。

毎話・名物のお草さんの「説教」シーンでは、心に留めておきたい言葉がたくさん出てきます。この年齢まで生きてきたお草さんだからこその含蓄のあるお言葉に、何度もハッとさせられました。

アルバイトの「久実ちゃん」とのコンビネーションも絶妙で、お互いさっぱりした性格なのに思いやりや気遣いを忘れない、素敵な関係性でした。

3つのポイントに整理して、本の感想をお伝えします。

POINT1. ジャンルはミステリー?でもトリックはなし

この作品のジャンルはミステリーなのですが、特別なトリックなどはなく、警察が出動するような大事件も起きません。

人と人の対立・揉め事の「火種」をお草さんが感じ取り、自ら足を運んで得た情報から「事件」を解決に導きます。

その「火種」も恋愛関係のトラブルや家族の揉め事などなど……実際に私たちの現実世界でもありそうな事ばかり。もしかすると、あなたがかつて体験したような出来事も出てくるかもしれません。

その解決方法が昔ながらの「説教」であるところが本書のポイント。

探偵気取りで調査したりせず、人の気持ちとちゃんと向き合うことで気持ちに収まりをつけてあげる展開ですので、ミステリーと言いつつ読了後はほっこりとした気持ちが味わえます。

POINT2. お草さんの丁寧な暮らしに注目

毎朝近所の祠に手を合わせ、観音さまに挨拶をして季節ごとの野菜や果物をいただく……

そんな生活、したことありますか?私はついつい毎日「やらなければいけないこと」に追われて過ごしてしまっている気がします。

お草さんはお店を営んでいるので毎日忙しそうに過ごしているようですが、日々のなかに気持ちを整えるための時間を持っていて素敵だなと思いました。

自分を見失わずに丁寧に暮らしている姿から、心の整え方のヒントがもらえそうです。

POINT3. 草さんの度胸のある性格に憧れる

人と向き合うにはエネルギーが必要ですよね。ときには嫌な思いもしますし、疲れる作業なので私はつい、納得いかなくても穏便にすませてしまいがちです。

しかし、お草さんは中途半端はしません。危険にさらされても、自身が疑われて嫌な思いをしても、決してブレない芯の強い女性として描かれています。でもお草さんも、もともと強かったわけではありません。

実は、その強さの裏には若い頃のつらい過去、後悔が関係していて……そんな過去が明らかになるにつれ、お草さんの発言に重みを感じますし、覚悟をもって生きている姿に憧れてしまいます。

『萩を揺らす雨 紅雲町珈琲屋こよみ』感想・まとめ

日々に流されずに自分としっかり向き合って生きているお草さん。私もいつか、こんな素敵な女性になりたい。よし、がんばるぞと活力をもらえる1冊でした。

シリーズものなので、気持ちが弱ってきたときに自分のバイブルとして読み返すのもいいかもしれません。

なんだか気合いが入らないなぁ。そんなときに、ぜひ手にとってみてください。

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この記事を書いた人

これまでに何百冊もの小説を読んできました。その中から特に心に残った一冊を、少しずつ書評としてまとめています。

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