『チョコレート工場の秘密』感想・レビュー・あらすじ。童心に返って楽しもう

当記事は『チョコレート工場の秘密』の書評です。

本書は『チャーリーとチョコレート工場』というタイトルで映画化もされたので、ご存知の方もいるのではないでしょうか。

児童向け小説として出版された本書ですが、大人も童心に返ってワクワクしながら読みたい1冊です。

難しいことは考えずに、楽しくスカッとするストーリー。ぜひお菓子と共に堪能してみてください。

『チョコレート工場の秘密』とは?

チョコレート工場の秘密』は、1964年にイギリスの小説家であるロアルド・ダールが発表した児童向け小説。

何度か映画化されているが、特に2005年にティム・バートンが監督を務めた『チャーリーとチョコレート工場』はジョニー・デップがウィリー・ウォンカ役を演じたことで話題となった。


小説の続篇には『ガラスのエレベーター 宇宙にとびだす』がある。

『チョコレート工場の秘密』あらすじ

チャーリーが住んでいる町に、チョコレート工場がある。

世界一広大で、世界一有名なワンカの工場。

働く人たちの姿をだれも見たことがない、ナゾの工場!

そこへ、五人の子供たちが招待されることになった。

招待状の入ったチョコレートは、世界にたったの五枚。

大騒ぎになったけれど、チャーリーには望みがない。

貧しいチャーリーがチョコレートを口にするのは、

一年に一度、誕生日に、一枚だけなのだから……。

『チョコレート工場の秘密』ロアルド・ダール 著 評論社出版 (2005/4/30)より引用

チャーリーの住む町にあるチョコレート工場。

他のどの会社でも作れない、美味しくてユニークなお菓子がたくさん発売されているけれど、誰かが出入りしている所を見たことがない。

そんな謎のチョコレート工場に招待されることになったチャーリー。

度肝を抜く工場内部に大人も子供もワクワクすること間違いなし!鬼才ロアルド・ダールが生み出した名作。

続篇に『ガラスの大エレベーター』がある。

『チョコレート工場の秘密』感想・レビュー

子供の頃に、あったらいいなと憧れたお菓子の家。それをはるかに超えたスケールが待ち受けていました。

チョコレートの流れる川を船で渡ったり、お菓子の味がする花や草……想像するだけでワクワクしてきませんか?

頭でいろいろ考えず、ロアルド・ダールの世界にどっぷり浸かってみてください。

楽しむポイントを3つに絞ってお伝えします。

POINT1.子供の頃に憧れた“お菓子の町”を堪能できる!

ワンカのチョコレート工場見学に行けることになったチャーリー。

そこにあったのはなんと、チョコレートが流れる川、食べられる草……そう、誰もが子供の頃に思い描いたような夢の世界が広がっていたのです。

どれもとっても美味しそうで、大人も子供も読んでいてワクワクすること間違いなし。

ウォンカのめちゃうまチョコレートは実際に商品化もされ、当時私も購入し、黄金のチケットが入っていないかドキドキしながら包みを開けたことを覚えています。

子供はもちろん、大人も童心に返ってロアルド・ダールの生み出す世界を味わってみてくだい。

嫌なことや辛いことから、いっとき解放されるはずです。

POINT2.子供たちのキャラクターに注目

チャーリーを含む5人の幸運な子供たちがチョコレート工場を見学できることになった訳ですが、この子供たちがなかなかの“くせもの”で……。

甘やかされて何でも手に入ると思っているワガママな子、ゲームばかりしていつもイライラしている子……などなど、いけすかない子たちが出てきて工場見学中にトラブルを起こしてしまいます。

その罰として、いけすかない子たちは“おしおき”をされる訳ですが、そのやり方もブラックユーモアが効いていてクスッと笑える、ロアルド・ダールらしさが全開なのです。

その子供たちも決して悪役というわけではなく、こういう子いるいる……と笑えるような子ばかりなのですが、ちょっと嫌なやつが懲らしめられるストーリーは痛快でスカッとします。

POINT3.頑張っている子が報われる

私はロアルド・ダールの他作品も読んだことがあるのですが、彼の作品の主人公はツラい状況にある子供が多いのです。

そんな子供をちゃんと見ていてくれる大人が現れて、出自や環境に恵まれていなくても、頑張っている子や素直な子は報われる。そんなストーリーが多いように思います。

ロアルド・ダールは物語を通して、不遇の環境にある子供たちにも希望を与えようとしたのでしょう。

私がはじめて彼の作品を読んだ時はもう高校生になっていましたが、それでもとても励まされたのを覚えています。

もっと小さい子供時代は、自身ではどうにも出来ないことも多いでしょうからきっと救われるのではないでしょうか。

大人のあなたも、もしも今上手くいっていないことがあれば、ぜひ手に取ってみてください。

ロアルド・ダールの世界に浸ることで、気持ちが楽になるかもしれません。

『チョコレート工場の秘密』の著者について

『チョコレート工場の秘密』の著者であるロアルド・ダール(1916〜1990)は、イギリス出身の作家。

戦時中は空軍の戦闘機パイロットとして従事したが、戦後は作家として活躍した。

特に結婚後に書き始めた児童向け小説は世界中で人気を集め、日本ではロアルド・ダールコレクションとして、評論社より20作ほどの作品が翻訳、出版されている。

『チョコレート工場の秘密』まとめ

今回は、児童向け小説『チョコレート工場の秘密』をご紹介しました。

次の休みは好きなお菓子を買い込んで、チャーリーと共にチョコレート工場に潜入してみてはいかがでしょうか?

嫌なこともつらい気持ちも、きっと吹き飛ばしてくれるはずです。

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