森博嗣Wシリーズの読む順番とあらすじ

森博嗣Wシリーズの読む順番とあらすじ

今回は、森博嗣さんのWシリーズ10冊の読む順番とあらすじをまとめます。

タイトルが似ていて、どの順番で読めばいいかわからないという読者の方も多いと思います。

そんな方の参考になれたら幸いです。

目次

Wシリーズとは?

『ウォーカロン』という、人工細胞で作られた生命体が暮らす未来の世界を描いたシリーズ。

森博嗣さんが先に発表された『百年シリーズ』とも関連している。

Wシリーズの「W」は、ウォーカロンの頭文字から取ったとされています。

Wシリーズの楽しみ方

近未来を描いたSF小説の真骨頂

このシリーズの舞台は『ウォーカロン』と呼ばれる、人工細胞で作られた生命体が主として暮らす世界。

人間とほとんど違いはありませんが、ウォーカロンには生殖能力がなく、技術の力で長期間生命を維持しています。

主人公であるハギリ博士は生殖についての研究をしていて、その研究の機密性から事件に巻き込まれていくわけですが、現代とはかけ離れた暮らしぶりや世界観は、SF好きにはたまらないものとなっています。

森作品の中でも特にSF色が強いので、SF好きにはぜひオススメです。

主人公ふたりの会話の掛け合いに注目

このシリーズの主人公はハギリ博士と、博士を守るために国家から派遣されてきたウグイの二人ですが、このふたりのちょっとズレた掛け合いが不思議ととってもクセになるのです。

ミステリー小説なので殺人事件も起きてしまうのですが、このふたりの軽妙な掛け合いが良い塩梅にシリアスな雰囲気を中和してくれてなんだか和むんですよね。

トリックも面白いけど、このふたりの掛け合いが楽しみで読んでいるという読者も多いのだとか。

ですので、普段ミステリーやSF小説を読まない方でも大丈夫。恋愛小説が好きな方も楽しめるようなストーリーとなっています。

他の作品とのつながり

森さんがこれまで発表されてきたS&MシリーズやVシリーズに比べて未来のストーリーであることから、他のシリーズとのつながりはそれほど濃くありません。

しいて言えば、先に発表された『百年シリーズ』と関連があるくらいですが、百年シリーズを読んでいなくてもまったく問題ありませんのでご安心を。

Wシリーズの読む順番とあらすじ・レビュー

Wシリーズは

発売順に読むのがおすすめなので、タイトルを発売日順にまとめました。

タイトル発売日(文庫版)
彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?2015/10/20
魔法の色を知っているか? What Color is the Magic?2016/1/18
風は青海を渡るのか? The Wind Across Qinghai Lake?2016/6/20
デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping?2016/10/18
私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback?2017/2/20
青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?2017/6/20
ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity?2017/10/18
血か、死か、無か? Is It Blood, Death or Null?2018/2/20
天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow?2018/6/20
人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly?2018/10/22

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?

彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?

ウォーカロン。「単独歩行者」と呼ばれる人工細胞で作られた生命体。人間との差はほとんどなく、容易に違いは識別できない。研究者のハギリは、何者かに命を狙われた。心当たりはなかった。彼を保護しに来たウグイによると、ウォーカロンと人間を識別するためのハギリの研究成果が襲撃理由ではないかとのことだが。
人間性とは命とは何か問いかける、知性が予見する未来の物語。

『彼女は一人で歩くのか? Does She Walk Alone?』森博嗣著 講談社タイガ出版 (2015/10/20)より引用 

魔法の色を知っているか? What Color is the Magic?

魔法の色を知っているか? What Color is the Magic?

チベット、ナクチュ。外界から隔離された特別居住区。ハギリは「人工生体技術に関するシンポジウム」に出席するため、警護のウグイとアネバネと共にチベットを訪れ、その地では今も人間の子供が生まれていることを知る。生殖による人口増加が、限りなくゼロになった今、何故彼らは人を産むことができるのか?
圧倒的な未来ヴィジョンに高揚する、知性が紡ぐ生命の物語。

『魔法の色を知っているか? What Color is the Magic?』森博嗣著 講談社タイガ出版 (2016/1/18)より引用

風は青海を渡るのか? The Wind Across Qinghai Lake?

風は青海を渡るのか? The Wind Across Qinghai Lake?

聖地。チベット・ナクチュ特区にある神殿の地下、長い眠りについていた試料の収められた遺跡は、まさに人類の聖地だった。ハギリはヴォッシュらと、調査のためその峻厳な地を再訪する。
ウォーカロン・メーカHIXの研究員に招かれた帰り、トラブルに足止めされたハギリは、聖地以外の遺跡の存在を知らされる。

小さな気づきがもたらす未来。知性が掬い上げる奇跡の物語。

『風は青海を渡るのか? The Wind Across Qinghai Lake?』森博嗣著 講談社タイガ出版 (2016/6/20)より引用 

デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping?

デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping?

祈りの場。フランス西海岸にある古い修道院で生殖可能な一族とスーパ・コンピュータが発見された。施設構造は、ナクチュのものと相似。ヴォッシュ博士は調査に参加し、ハギリを呼び寄せる。
一方、ナクチュの頭脳が再起動。失われていたネットワークの 再構築が開始され、新たにトランスファの存在が明らかになる。
拡大と縮小が織りなす無限。知性が挑発する閃きの物語。

『デボラ、眠っているのか? Deborah, Are You Sleeping?』森博嗣著 講談社タイガ出版 (2016/10/18)より引用 

私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback?

私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback?

富の谷。「行ったが最後、誰も戻ってこない」と言われ、警察も立ち入らない閉ざされた場所。そこにフランスの博覧会から脱走したウォーカロンたちが、潜んでいるという情報を得たハギリは、ウグイ、アネバネと共にアフリカ南端にあるその地を訪問した。
富の谷にある巨大な岩を穿って作られた地下都市で、ハギリらは新しい生のあり方を体験する。知性が提示する実存の物語。

『私たちは生きているのか? Are We Under the Biofeedback?』森博嗣著 講談社タイガ出版 (2017/2/20)より引用 

青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?

青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?

オーロラ。北極基地に設置され、基地の閉鎖後、忘れさられたスーパ・コンピュータ。彼女は海底五千メートルで稼働し続けた。データを集積し、思考を重ね、そしていまジレンマに陥っていた。
放置しておけば暴走の可能性もあるとして、オーロラの停止を依頼されるハギリだが、オーロラとは接触することも出来ない。
孤独な人工知能が描く夢とは。知性が涵養する萌芽の物語。

『青白く輝く月を見たか? Did the Moon Shed a Pale Light?』森博嗣著 講談社タイガ出版 (2017/6/20)より引用 

ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity?

ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity?

クローン。法律により禁じられている無性生殖による複製人間。
研究者のハギリは、ペガサスというスーパ・コンピュータからパリの万国博覧会から逃亡したウォーカロンには、クローンを産む擬似受胎機能が搭載されていたのではないかという情報を得た。
彼らを捜してインドへ赴いたハギリは、自分の三人目の子供について不審を抱く富豪と出会う。知性が喝破する虚構の物語。

『ペガサスの解は虚栄か? Did Pegasus Answer the Vanity?』森博嗣著 講談社タイガ出版 (2017/10/18)より引用 

血か、死か、無か? Is It Blood, Death or Null?

血か、死か、無か? Is It Blood, Death or Null?

イマン。「人間を殺した最初の人工知能」と呼ばれる軍事用AI。電子空間でデボラらの対立勢力と通信の形跡があったイマンの解析に協力するため、ハギリはエジプトに赴く。だが遺跡の地下深くに設置されたイマンには、外部との通信手段はなかった。
一方、蘇生に成功したナクチュの冷凍遺体が行方不明に。意識が戻らない「彼」を誘拐する理由とは。知性が抽出する輪環の物語。

『血か、死か、無か? Is It Blood, Death or Null?』森博嗣著 講談社タイガ出版 (2018/2/20)より引用 

天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow?

天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow?

カイロ発ホノルル行き。エア・アフリカンの旅客機が、乗員乗客200名を乗せたまま消息を絶った。乗客には、日本唯一のウォーカロン・メーカ、イシカワの社長ほか関係者が多数含まれていた。
時を同じくして、九州のアソにあるイシカワの開発施設が、武力集団に占拠された。膠着した事態を打開するため、情報局はウグイ、ハギリらを派遣する。知性が追懐する忘却と回帰の物語。

『天空の矢はどこへ? Where is the Sky Arrow?』森博嗣著 講談社タイガ出版 (2018/6/20)より引用 
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人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly?

人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly?

生殖に関する新しい医療技術。キョートで行われる国際会議の席上、ウォーカロン・メーカの連合組織WHITEは、人口増加に資する研究成果を発表しようとしていた。実用化されれば、多くの利権がWHITEにもたらされる。実行委員であるハギリは、発表を阻止するため、武力介入が行われるという情報を得るのだが。
すべての生命への慈愛に満ちた予言。知性が導く受容の物語。

『人間のように泣いたのか? Did She Cry Humanly?』森博嗣著 講談社タイガ出版 (2018/10/22)より引用 

Wシリーズの読む順番・まとめ

今回は、Wシリーズの読む順番とあらすじをまとめました。

どの順番で読めばいいかわからないという方の参考になれば幸いです。

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