『みをつくし料理帖』シリーズの読む順番とあらすじ

今回は、髙田郁さんの『みをつくし料理帖』シリーズの読む順番とあらすじをまとめます。

作品数が多く、読む順番がわからないという読者の方も多いと思います。

そんな方の参考になれたら幸いです。

目次

『みをつくし料理帖』シリーズとは?

小説家の髙田郁さんが執筆された、江戸時代を舞台とした時代小説。

主人公の澪が料理を通して身をたて、成長していくストーリー。

『この時代小説がすごい!文庫書き下ろし版』をはじめとする多数の賞を受賞し、後にドラマ化、映画化もされた人気シリーズとなっている。

『みをつくし料理帖』シリーズの楽しみ方

実際に作れるレシピつき

1巻につき4〜5話ずつストーリーが収録されていて、1話ごとにそのストーリーのメインとなる料理が登場します。

舞台は江戸時代なのですが、出てくる食材は現代の私たちにもなじみのあるものばかり。

しかも、そのレシピが巻末に付いているので実際に作ることが出来ちゃいます。

電子レンジや冷蔵庫がない時代に、どのように食材をやりくりしていたのか?この料理って、江戸時代にはもうあったんだな……と料理の知識を楽しく学びながら読めますので、料理好きさんは必見です。

働く女性のバイブル

本書は、主人公・澪の成功譚でもあります。

澪は身寄りもなく、地元の大坂から江戸へたった一人で上京し、無名だった『つる家』で料理の腕を研いていくのですが、

料理の腕一本で、老舗の料理屋にもライバル視されるほどまでにのしあがっていく姿がかっこいいんですよね。

キャリアウーマンの先駆けであり、うまくいかない時やトラブルが起きた時の切り替え方なんかは、現代を生きる私たちにも参考になるものばかり。

疲れてしまった時にこの本を手にとってみてください。澪からヒントがもらえるかもしれません。

人と人との絆

シリーズは本編だけで10巻ありますので、たくさんの人が登場します。

この登場人物たちが皆とても魅力的で、身寄りのない澪の親代わりのような存在から、幼なじみとの絆、初めての恋模様などなど、数々のヒューマンドラマが繰り広げられます。

10巻は長いと感じる方もいるかもしれませんが、シリーズを追うごとに登場人物たちがとても愛おしくなってきますので、続きが気になってあっという間に読み進めてしまうのではないでしょうか。

ほろりと涙してしまうようなシーンもたくさんありますので、ヒューマンドラマが好きな方にもおすすめしたい作品です。

『みをつくし料理帖』シリーズの読む順番とあらすじ

ストーリー自体は全10巻で完結しますが、シリーズには未収録のレシピをまとめた『みをつくし献立帖』と、スピンオフ的なストーリーを楽しめる『花だより みをつくし料理帖 特別巻』を含めると12巻となります。

時系列は出版順と一緒ですので、10巻までは出版順に読破することをおすすめします。

タイトル発売日(文庫版)
八朔の雪2009/5/18
花散らしの雨2009/10/18
想い雲2010/3/1
今朝の春2010/9/15
小夜しぐれ2011/3/15
心星ひとつ2011/8/10
夏天の虹2012/3/15
残月2013/6/18
美雪晴れ2014/2/15
天の梯2014/8/9
みをつくし献立帖2012/5/15
花だより みをつくし料理帖 特別巻2018/9/1

『八朔の雪』

『八朔の雪』

神田御台所町で江戸の人々には馴染みの薄い上方料理を出す「つる家」。店を任され、調理場で腕を振るう澪は、故郷の大坂で、少女の頃に水害で両親を失い、天涯孤独の身であった。大坂と江戸の味の違いに戸惑いながらも、天性の味覚と負けん気で、日々研鑽を重ねる澪。しかし、そんなある日、彼女の腕を妬み、名料理屋「登龍楼」が非道な妨害をしかけてきたが……。料理だけが自分の仕合わせへの道筋と定めた澪の奮闘と、それを囲む人々の人情が織りなす、連作時代小説の傑作ここに誕生!

『八朔の雪 みをつくし料理帖』髙田郁著 角川春樹事務所出版 (2009/5/18)より引用

大坂から単身、江戸に出てきた澪は、右も左もわからないまま料理屋「つる家」で働くことになります。

関西と関東の味の違いに戸惑いながらも、努力とセンスで次第に「つる家」は評判の店に。

シリーズ1作目ですが、今後主人公を務める澪の人間性やルーツがよくわかる1冊となっています。

この巻末に収録されているレシピ

  • ぴりから鰹田麩
  • ひんやり心太
  • とろとろ茶碗蒸し
  • ほっこり酒粕汁

『花散らしの雨』

『花散らしの雨』

元飯田町に新しく暖簾を掲げた「つる家」では、「ふき」という少女を下足番として雇い入れた。早くにふた親を亡くしたふきを、自らの境遇と重ね合わせ信頼を寄せていく澪。だが、丁度同じ頃、神田須田町の登龍楼で、澪の創作したはずの料理と全く同じものが「つる家」よりも先に供されているという。はじめは偶然とやり過ごすも、さらに考案した料理も先を越されてしまう。度重なる偶然に不安を感じた澪はある日、ふきの不審な行動を目撃してしまい——。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第二弾!

『花散らしの雨 みをつくし料理帖』髙田郁著 角川春樹事務所出版 (2009/10/18)より引用

澪の努力で繁盛してきた「つる家」は、新たにメンバーを雇い入れることに。

1作目では無名店で、ただただ努力を重ねるだけで話題となっていましたが、人気店になったことで生じた新たな問題に立ち向かっていきます。

店を守るために戦う、成長した澪の姿に注目です。

この巻末に収録されているレシピ

  • ほろにが蕗ご飯
  • こぼれ梅
  • なめらか葛饅頭
  • 忍び瓜
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『想い雲』

『想い雲』

土用の入りが近づき、澪は暑気払いに出す料理の献立に頭を悩ませていた。そんなある日、戯作者・清右衛門が版元の坂村堂を連れ立って「つる家」を訪れる。澪の料理に感心した食道楽の坂村堂は、自らが雇い入れている上方料理人に是非この味を覚えさせたいと請う。翌日、さっそく現れた坂村堂の料理人はなんと、行方知れずとなっている、天満一兆庵の若旦那・佐兵衛と共に働いていた富三だったのだ。澪と芳は佐兵衛の行方を富三に聞くが、彼の口から語られたのは耳を疑うような話だった——。書き下ろしで贈る、大好評「みをつくし料理帖」シリーズ、待望の第三弾!

amazonより引用

すっかり評判となった「つる家」。

懸命に店を切り盛りする澪ですが、今作では仕事でもプライベートでも、澪の心を揺さぶるような出来事が次々と起こります。

そのどれからも逃げずに、真正面から向き合っていく澪の姿に注目です。

幼なじみの「野江」との再会は、涙なしには読めません。

この巻末に収録されているレシピ

  • 「う」尽くし
  • ふっくら鱧の葛叩き
  • ふわり菊花雪
  • こんがり焼き柿
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『今朝の春』

『今朝の春』

月に三度の『三方よしの日』、つる家では澪と助っ人の又次が作る料理が評判を呼び、繁盛していた。そんなある日、伊勢屋の美緒に大奥奉公の話が持ち上がり、澪は包丁使いの指南役を任されて——(第一話『花嫁御寮』)。戯作者清右衛門が吉原のあさひ太夫を題材に戯作を書くことになった。少しずつ明らかになってゆくあさひ太夫こと野江の過去とは——(第二話『友待つ雪』)。おりょうの旦那伊左三に浮気の疑惑が⁉︎ つる家の面々を巻き込んだ事の真相とは——(第三話『寒紅』)。登龍楼との料理の競い合いを行うこととなったつる家。澪が生み出す渾身の料理は——(第四話『今朝の春』)。全四話を収録した大好評シリーズ第四弾!!

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すっかり人気店となり、多忙な日々を送っている主人公の澪。

本作では、料理人として一段上のステージにステップアップしようと飛躍します。

シリーズ1作目ではまだ若い「小娘」だった澪が、お店の内外から頼りにされて成長していく姿に勇気をもらえる人も多いはず。

すべての働く女性に贈るストーリー

この巻末に収録されているレシピ

  • ははきぎ飯
  • 里の白雪
  • ひょっとこ温寿司
  • 寒鰆の昆布締め

『小夜しぐれ』

『小夜しぐれ』

季節が春から夏へと移ろい始める如月のある日。日本橋伊勢屋の美緒がつる家を訪れ、澪の顔を見るなり泣き始めた。美緒の話によると、伊勢屋の主・九兵衛が美緒に婿をとらせるために縁談を進めているというのだ。それは、美緒が恋心を寄せる医師、源斉との縁談ではないらしい。果たして、美緒の縁談の相手とは!?——(第三話『小夜しぐれ』)。表題作の他、つる家の主・種市と亡き娘おつるの過去が明かされる『迷い蟹』、『夢宵桜』、『嘉祥』の全四話を収録。恋の行方も大きな展開を見せる、書き下ろし大好評シリーズ第五弾!!

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澪の恋、親代わりの店主・種市の過去……本書では、おなじみの登場人物たちの語られてこなかった過去や、人間模様にフォーカスしています。

それぞれの思いを抱えて生きている登場人物たちに、共感したり新たな視点がもらえたりするかもしれません。

数々のヒューマンドラマに胸が熱くなること間違いなし。

この巻末に収録されているレシピ

  • 浅蜊の御神酒蒸し
  • 菜の花尽くし
  • 寿ぎ膳
  • ひとくち宝珠
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『心星ひとつ』

『心星ひとつ』

酷暑を過ぎた葉月のある午後、翁屋の桜主伝右衛門がつる家を訪れた。伝右衛門の口から語られたのは、手を貸すので吉原にて天満一兆庵を再建しないか、との話だった。一方登龍楼の采女宗馬からも、神田須田町の登龍楼を、居抜きで売るのでつる家として移って来ないか、との話が届いていた。登龍楼で奉公をしている、ふきの弟健坊もその店に移して構わないとの事に、それぞれが思い揺れていた。つる家の料理人として岐路に立たされた澪は決断を迫られる事に——野江との再会、小松原との恋の行方は!?

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すっかり有名店となった「つる家」に、澪の腕を見込んでヘッドハンティングの話が舞い込みます。

悪くない条件に迷いますが、忙しい日々を過ごすうちに忘れてしまいがちな「一番大切にしたいこと」が何なのかを考えさせられます。

基本に立ち返って考えたい時、ヒントをくれる1冊です。

この巻末に収録されているレシピ

  • しくじり生麩
  • 賄い三方よし
  • お手軽割籠
  • あたり苧環(おだまき)

『夏天の虹』

『夏天の虹』

想いびとである小松原と添う道か、料理人として生きる道か……澪は、決して交わることのない道の上で悩み苦しんでいた。「つる家」で料理を旨そうに頬張るお客や、料理をつくり、供する自身の姿を思い浮かべる澪。天空に浮かぶ心星を見つめる澪の心には、決して譲れない辿り着きたい道が、はっきりと見えていた。そして澪は、自身の揺るがない決意を小松原に伝えることに——(第一話「冬の雲雀」)。その他、表題作「夏天の虹」を含む全四篇。大好評「みをつくし料理貼」シリーズ、〈悲涙〉の第七弾!!

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本書では、淡い澪の恋に変化が訪れます。仕事への責任感と、女性としての幸せ。

現代を生きる私たちにも、決して他人事ではない選択に共感してしまう方も多いはず。

気持ちの変化に戸惑ってしまう時、背中を押してほしい時におすすめの1冊。

この巻末に収録されているレシピ

  • 滋味重湯
  • 牡蠣の宝船
  • 鯛の福探し
  • 哀し柚べし

『残月』

『残月』

吉原の大火、「つる家」の助っ人料理人・又次の死。辛く悲しかった時は過ぎ、澪と「つる家」の面々は新たな日々を迎えていた。そんなある日、吉原の大火の折、又次に命を助けられた摂津屋が「つる家」を訪れた。あさひ太夫と澪の関係、そして又次が今際の際に遺した言葉の真意を知りたいという。澪の幼馴染み、あさひ太夫こと野江のその後とは——(第一話「残月」)。その他、若旦那・佐平衛との再会は叶うのか? 料理屋「登龍楼」に呼び出された澪の新たなる試練とは……。雲外蒼天を胸に、料理に生きる澪と「つる家」の新たなる決意。希望溢れるシリーズ第八弾。

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本書では、澪にたくさんの試練が訪れます。

それでも腐らず、仕事に手を抜かない姿勢や気持ちの切り替え方なんかは、現代を生きる私たちにも参考になるものばかり。

悲しい気持ちになった時に心の支えになってくれる、そんなストーリーです。

この巻末に収録されているレシピ

  • かのひとの面影膳
  • 慰め海苔巻
  • 麗し鼈甲珠
  • 心ゆるす葛湯
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『美雪晴れ』

『美雪晴れ』

名料理屋「一柳」の主・柳吾から求婚された芳。悲しい出来事が続いた「つる家」にとってそれは、漸く訪れた幸せの兆しだった。しかし芳は、なかなか承諾の返事を出来ずにいた。どうやら一人息子の佐兵衛の許しを得てからと、気持ちを固めているらしい―—。一方で澪も、幼馴染みのあさひ太夫こと野江の身請けについて、また料理人としての自らの行く末について、懊悩する日々を送っていた……。いよいよ佳境を迎える「みをつくし料理帖」シリーズ。幸せの種を蒔く、第九弾。

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試練が続いていた澪の周辺に、明るいニュースが届き始めます。

はたして澪は、ずっと心に決めていた目標を達成することが出来るのでしょうか?

クライマックスに向けて動き出す、それぞれの人生から目が離せません。

悩みながらも自分の決めた道に突き進む澪から、勇気をもらえる1冊です。

この巻末に収録されているレシピ

  • 味わい焼き蒲鉾
  • 立春大吉もち
  • 宝尽くし
  • 昔ながら
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『天の梯』

『天の梯』

『食は、人の天なり』——医師・源斉の言葉に触れ、料理人として自らの行く末に決意を固めた澪。どのような料理人を目指し、どんな料理を作り続けることを願うのか。澪の心星は揺らぐことなく頭上に瞬いていた。その一方で、吉原のあさひ太夫こと幼馴染みの野江の身請けについて懊悩する日々。四千両を捻出し、野江を身請けすることは叶うのか⁉︎厚い雲を抜け、仰ぎ見る蒼天の美しさとは⁉︎「みをつくし料理帖」シリーズ、堂々の完結。

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これまでの澪の努力の集大成とも言える最終巻。

料理人として、女性としてどんな決断をするのか?澪を取り巻く周りの人々の展開にも注目です。

涙なしでは読めないヒューマンストーリー。決断に迷った時、背中を押してほしい時に何度でも読み返したい1冊です。

この巻末に収録されているレシピ

  • 葛尽くし
  • 親父泣かせ
  • 心許り
  • 恋し栗おこし
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『みをつくし献立帖』

『みをつくし献立帖』

レシピ付きの本編には収録しきれなかった、1〜10巻の「こぼれレシピ」を集めた献立帖です。

書き下ろしのスピンオフエピソードも収録されていますので、ファン必見の1冊!

大好評「みをつくし料理帖」シリーズで登場した料理をあなたのご家庭に!!「はてなの飯」「ありえねぇ」など、本編ではご紹介出来なかったレシピを初公開、澪がつくり出す料理を著者自らが完全再現。また、つる家の間取り図や書き下ろしエッセイなど余すところなく収録。そして、ここでしか読めない、澪と野江の幼き日の思い出を描いた書き下ろし短編小説「貝寄風」を特別収録した豪華なレシピ本。「みをつくし料理帖」ファン待望の一冊!!

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『花だより みをつくし料理帖 特別巻』

『花だより みをつくし料理帖 特別巻』

シリーズ完結後の5〜6年後を描いた連作短編集。

変化しているそれぞれの人生に、ほっこりしたり、背中を押されたり。

ひさしぶりに旧友に会えたような、あたたかな気持ちになれる1冊です。

澪が大坂に戻ったのち、文政五年(一八二二年)春から翌年初午にかけての物語。
店主・種市とつる家の面々を廻る、表題作「花だより」。
澪のかつての想いびと、御膳奉行の小野寺数馬と一風変わった妻・乙緒との暮らしを綴った「涼風あり」。
あさひ太夫の名を捨て、生家の再建を果たしてのちの野江を描いた「秋(しゅう)燕(えん)」。
澪と源斉夫婦が危機を乗り越えて絆を深めていく「月の船を漕ぐ」。
シリーズ完結から四年、登場人物たちのその後の奮闘と幸せとを料理がつなぐ特別巻、満を持して登場です!

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『みをつくし料理帖』シリーズの読む順番とあらすじ・まとめ

今回は、髙田郁さんの『みをつくし料理帖』シリーズの読む順番とあらすじをご紹介しました。

初心にかえりたい時、気持ちがめげそうな時にこの本を手にとってみてください。きっと澪からパワーをもらえるはずです。

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