『面白南極料理人』感想・レビュー・あらすじ|超レア職業体験記

『面白南極料理人』感想・レビュー・あらすじ|超レア職業体験記
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当記事は西村淳著『面白南極料理人』の書評です。

南極観測隊。ご存知ですか?名前だけはなんとなく聞いたことがありますよね。私もその程度でした。本書は実際に南極観測隊として従事された海上保安官の方が、南極で過ごした1年間を日記風にまとめた1冊です。

著者の西村さんの軽妙な文体がとっても読みやすく、過酷な労働環境さえも笑い飛ばしてしまうハートの強さには圧巻です。

南極観測隊って、どんな仕事をしているんだろう?そもそも南極ってどんなところ?

好奇心の赴くままに、ページをめくってみてください。まだ見ぬ最果ての地へ、いつでもトリップできます。

あなたにとっての、良き一冊となりますように。

目次

『面白南極料理人』あらすじ

『面白南極料理人』あらすじ

ウイルスさえも生存が許されない地の果て、南極ドーム基地。そこは昭和基地から1000kmかなた、標高3800m、平均気温−57℃、酸素も少なければ太陽も珍しい世界一過酷な場所である。でも、選り抜きの食材と創意工夫の精神、そして何より南極氷より固い仲間同士の絆がたっぷりとあった。第38次越冬隊として8人の仲間と暮した抱腹絶倒の毎日を、詳細に、いい加減に報告する南極日記。

『面白南極料理人』西村淳著 新潮文庫出版 (2004/10/1)より引用

あらすじからもう、凄まじい環境下であることが窺えますよね。

そんな過酷な状況のはずなのに、著者・西村さんのユーモア溢れる書きくちに笑いが止まりません。

南極で1年暮らすという超・レア体験を、赤裸々に、ユーモアたっぷりに綴ったエッセイ……のような、新感覚のお仕事小説。

世の中にはこんな仕事もあるんだな……と、新しい発見があるはず。物語ではなく、日記風の文体なので少しずつ読めます。
気軽に手にとってみてください。

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『面白南極料理人』まとめ•レビュー

『面白南極料理人』まとめ•レビュー

めっちゃ寒くて、ペンギンとかシロクマとかいそう。
南極についての知識なんて、それくらいしかなかった私。

本書を読むと、まずペンギンとシロクマは南極のどこにでもいるわけではない。ということがわかります。

著者の西村さんが過ごされた「ドーム基地」がある地域は、気温が低すぎて野生動物はいないそう。

そんな過酷な環境で1年も過ごされるなんて相当ハードなはずなのに、なんでも笑って乗り越えてしまう西村さんと隊員の方たちのハートの強さには、心からのリスペクトと共に、どこか救われる気持ちになりました。

3つのポイントに整理して、本の感想をお伝えします。

POINT1. 南極ってどんなところ?

まず、南極へどうやって行くのかご存知でしょうか。

日本から南極への直行便はないため、南アフリカ・オーストラリアなどの南半球の南端から、船または飛行機で向かうルートが一般的ですが、1番近い南米からでも片道2泊はかかるそうなので、日本からと考えると往復だけで6日くらいは取られそうですね。

著者・西村さんの「勤務地」は、平均気温−57℃、最低気温はおよそ−80℃……そう言われても、想像がつきませんよね。ちなみにこの気温だとウイルスさえも生存できないそうで、風邪をひくこともないんだとか。

こんな環境で1年も暮らすなんてイメージも湧きませんし、水は?電気は?どうやって暮しているの?そんな知らない世界を擬似体験できる、知的好奇心を満たしてくれる1冊です。

ですが、こむずかしい描写は全然ありませんのでご安心を。西村さんの明るいお人柄とユーモア(親父ギャグ)が伝わってきて、過酷な環境のはずなのにクスリと笑ってしまう軽妙さに救われます。

日記やエッセイを読むような気軽さで手にとってみてください。

POINT2. 過酷な労働環境

南極観測隊の皆さんは、わざわざこの過酷な環境まで出かけていって、いったいどんな仕事をされているのでしょうか。

隊員の方たちはさまざまな分野の方から集まっているのですが、どの分野の方も目的は主に「数値の観測」だそう。

気球を打ち上げて大気の観測をしたり、氷を削って温度や状態を調べたり……それを平均-57℃の中でやるのですから、文字通り命がけの作業。

そんな緊迫感があるからこそ、宴会を開いて酔い潰れたり、ふざけたりはしゃいだりする時間が必要なのかもしれませんね。

彼らのONとOFFの切り替え方は、日本で働く私たちにも参考になるかもしれません。

POINT3. 料理がすごい!

著者の西村淳さんは在任中、料理を担当されています。南極にはもちろん、コンビニもスーパーもありませんので、1年分の食料を積み込んで出発し、以後補充は一切なし。というなかなか厳しい条件。

途中で補充がきかない状況で、1年後のことまで考えながら毎日の料理を作る。すごいことだと思いませんか?ふと「あれ食べたいな」と思っても、その材料があるとは限りませんし、その中で工夫しながら作る食事は目から鱗のものばかり。

マネできそうなレシピもあれば「あるものでなんとかしよう精神」が生み出した伊勢エビをまるまるぶち込んだ味噌汁や、中には「鶏肉入り前日余った煮物中華ドレッシングかけ酢豚風」という奇想天外なメニューまで……。

参考にするかしないかはあなた次第(笑)ですが、西村さんの料理の腕は確かなので、1年分の献立は必見です。

『面白南極料理人』まとめ•感想

今回はめずらしい職業を擬似体験できる、新感覚のお仕事小説をご紹介しました。

日本にいては絶対に知ることのできない、地球の果ての実態。たまにはこんなめずらしい読書体験もいいのではないでしょうか。

ぜひ手にとってみてください。

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この記事を書いた人

これまでに何百冊もの小説を読んできました。その中から特に心に残った一冊を、少しずつ書評としてまとめています。

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