『幸せの条件』感想・レビュー・あらすじ|モチベーションが下がってきたら……

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当記事は誉田哲也著『幸せの条件』の書評です。

今回ご紹介するのは、原点に立ち返るきっかけをくれるお仕事小説です。

ダメダメだった主人公が成長していく姿に、胸が熱くなること間違いなし。

仕事で悩んでいる、最近モチベーションが上がらない……そんな時におすすめです。

主人公を通して、気づいていなかった自分の気持ちに気がつくきっかけがもらえるかもしれません。

あなたにとっての、良き一冊となりますように。

目次

『幸せの条件』あらすじ

『幸せの条件』あらすじ

恋も仕事も中途半端、片山製作所勤務の「役立たずOL」梢恵に、ある日まさかの社名が下されたー単身長野に赴き、新燃料・バイオエタノール用のコメを作れる農家を探してこい。行く先々で断られ、なりゆきで農業見習いを始めた24歳に勝算はあるか!?

『幸せの条件』誉田哲也著 中公文庫出版(2015/8/12)より引用

小説の題材は「日本のエネルギー自給率と農業の人手不足

堅苦しく聞こえるかもしれませんが、主人公が農業ド素人の設定ですので詳しい解説が多く読みやすかったです。

環境問題や日本の農業の実態がストーリーにからめてあるので、読み進めるうちに自然と勉強になるのも嬉しいところ。

私は農業とはまったく関わったことがありませんが、プライドを持って働く農家の人たちの姿に、胸が熱くなりました。

明日からまた頑張ろう、そんな気持ちにさせてくれるお仕事小説です。ぜひ手にとってみてください。

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『幸せの条件』の感想・レビュー

『幸せの条件』の感想・レビュー

読み終わってみて、自分の国の現状を全然知らなかったんだな、と反省しました。

苦境を強いられながらも、懸命に食物を育てている人たちがいる。その人たちのおかげで、いつでもおいしいお米が食べられるんですね。頭が上がりません。

農家の実態がとても詳しく描かれているので、作者の誉田哲也さんは農業の知識がある方なのかな?と思いきや、文末に参考文献が20冊以上載っていて、農園の方への謝辞も掲載されていたので、この小説のためにしっかり調査してから描かれたんだな……と驚きました。

だからこそ臨場感があり、立ち向かう人たちの姿にも説得力があります。

3つのポイントに整理して、本の感想をお伝えします。

POINT1. パッとしない梢恵の快進撃に胸が熱くなる!

物語の冒頭では、この梢恵のダメさ加減に私もイライラしてしまいましたが(笑)ストーリーが進むにつれ、少しずつ成長していく姿に胸を打たれます。

自称「竹を割ったような性格」だという主人公・梢恵は、彼氏に愛想を尽かされ、親にまで「ハッキリしない子」と言われ、すっかり自分を見失います。

そんな時に仕事で関わることになった農家の過酷な現状を目の当たりにし、情熱を持って働く人々に影響をうけ、自分の甘さに気づき覚悟を固めていく様子に、過去の自分を重ねてみたりして、胸が熱くなりました。

あなたも、荒削りながら懸命に立ち向かう梢恵の姿をみて、初心に返るきっかけがもらえるかもしれません。

POINT.2 日本のエネルギー自給率問題に切り込む

この作品が出版された頃の誉田さん調べによると、なんと日本のエネルギー自給率はたったの4%だったそう。

毎年発表されているので多少変動はありますが、それでも10%にも満たない、ということに衝撃を覚えました。石油(ガソリン)などはほぼ中東からの輸入に頼っているのが現状です。

食料自給率の低さも問題になっている日本ですが、肝心のお米や野菜を作るためのトラクターや草刈り機を動かすには、輸入されたガソリンを使わなければ作れない、という矛盾。

そこを解決させるために、梢恵はお米からバイオエタノールの製造を提案しますが、作りたくても人手不足や価格などの問題があり、実現困難……という悪循環。

そこから試行錯誤が始まるわけですが、なんとなくニュースで見知っていたことを改めて考えさせられ、とても勉強になりました。

POINT3. 梢恵の居場所は見つかるのか?

会社の社長からは不必要、と言われ彼氏にも愛想を尽かされ、誰からも必要とされていない……そんなどん底から始まった、ダメダメ主人公に自分を必要としてくれる人、場所は見つかるのか?

農家の人たちと関わるうちに、いかに自分が未熟だったのかを痛感する梢恵。ラストシーンの、疎ましく思っていた社長とのやりとりは涙なしには読めません。

求めてきた居場所への答えは意外なもので、社長の言葉には、私自身もハッとさせられました。これまでの梢恵からは考えられない成長ぶりに、目頭が熱くなること間違いなし

『幸せの条件』を読んだ感想・まとめ

なんだか代わり映えのしない毎日に、私のやりたいことってなんだっけ?このままでいいのかな?と思ってしまった時に、ぜひこの本を手にとってみてください。

きっと、働き始めたばかりのころの自分を思い出し、初心に返れるはずです。

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この記事を書いた人

これまでに何百冊もの小説を読んできました。その中から特に心に残った一冊を、少しずつ書評としてまとめています。

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