今回は、森博嗣さんのVシリーズ10冊の読む順番とあらすじをまとめます。
作品数が多く、読む順番がわからないという読者の方も多いと思います。
そんな方の参考になれたら幸いです。
Vシリーズとは?
森博嗣さんが、S&Mシリーズの次に発表したミステリー小説。
探偵である保呂草潤平が、自身が巻き込まれた事件や依頼されて調査した事件を小説風にまとめたもの、という設定になっています。
S&Mシリーズとも関連性がありますが、ストーリー続いている訳ではないのでVシリーズから読み始めても問題ありません。
Vシリーズの「V」とは、登場人物のひとりである瀬在丸紅子(せざいまるべにこ)のイニシャルからとったものだとか。
S&Mシリーズと、どちらから先に読もうか迷っている方はこちらの記事も参考にしてみてください。
Vシリーズの楽しみ方
メタ視点による解説
Vシリーズは全編通して、主人公である保呂草潤平が、自身が巻き込まれた事件を小説風に執筆したもの、という設定になっています。
そのため、保呂草自身が意図的に加筆、修正を加えていて、最後に真実が明かされることもしばしば。
主人公が書いた小説を読む、というメタ視点からどこが加筆修正箇所なのか想像するという楽しみ方もできるのです。
シリーズのつながりに注目
前作のS&Mシリーズは一巻完結型であったのに対し、Vシリーズは作品同士のつながりが濃いです。
そのため、S&Mシリーズを読んでいなくても理解はできますが、Vシリーズの中でどれを読もうか悩まれているなら出版順に読むことをおすすめします。
事件とは直接関係ないところでも、人間関係が繋がっていたり進んだりと、ミステリー以外の要素も楽しむことができます。
密室に対するこだわり
Vシリーズは、全10巻で起きる事件のすべてが密室ものです。
そして状況が特殊な設定が多いので、純粋にミステリーを楽しむ事ができます。
S&Mシリーズが理系要素、SF要素が強かったのに対し、Vシリーズはミステリー要素が強いシリーズとなっていますので、ミステリーファン、少し変わったミステリーを読みたい方にはもってこいの作品です。
Vシリーズの読む順番とあらすじ・レビュー
出版順にまとめたので、上から読んでいけばストーリーの時系列に沿って読み進めることができます。
作品同士のつながりもあるので、出版順に読むことをおすすめします。
タイトル | 発売日(文庫版) |
黒猫の三角 | 2002/7/15 |
人形式モナリザ | 2002/11/15 |
月は幽咽のデバイス | 2003/3/15 |
夢・出逢い・魔性 | 2003/7/15 |
魔剣天翔 | 2003/11/15 |
恋恋蓮歩の演習 | 2004/7/15 |
六人の超音波科学者 | 2004/11/15 |
捩れ屋敷の利鈍 | 2005/3/15 |
朽ちる散る落ちる | 2005/7/15 |
赤緑黒白 | 2005/11/15 |
『黒猫の三角』
一年に一度決まったルールの元で起こる殺人。今年のターゲットなのか、六月六日、四十四歳になる小田原静江に脅迫めいた手紙が届いた。探偵・保呂草は依頼を受け「阿漕荘」に住む面々と桜鳴六画邸を監視するが、衆人環境の密室で静江は殺されてしまう。森博嗣の新境地を拓くVシリーズ第一作、待望の文庫化。
『黒猫の三角』森博嗣著 講談社文庫出版 (2002/7/15)より引用
『人形式モナリザ』
蓼科に建つ私設博物館「人形の館」に常設されたステージで衆人環境の中、「乙女文楽」演者が謎の死を遂げた。二年前に不可解な死に方をした悪魔崇拝者。その未亡人が語る「神の白い手」。美しい避暑地で起こった白昼夢のような事件に瀬在丸紅子と保呂草潤平ら阿漕荘の面々が対峙する。大人気Vシリーズ第2弾。
『人形式モナリザ』森博嗣著 講談社文庫出版 (2002/11/15)より引用
『月は幽咽のデバイス』
薔薇屋敷あるいは月夜邸と呼ばれるその屋敷には、オオカミ男が出るという奇妙な噂があった。瀬在丸紅子たちが出席したパーティの最中、衣服も引き裂かれた凄惨な死体が、オーディオ・ルームで発見された。現場は内側から施錠された密室で、床一面に血が飛散していた。紅子が看破した事件の意外な真相とは⁉︎
『月は幽咽のデバイス』森博嗣著 講談社文庫出版 (2003/3/15)より引用
『夢・出逢い・魔性』
20年前に死んだ恋人の夢に怯えていたN放送プロデューサが殺害された。犯行時響いた炸裂音は一つ、だが遺体には二つの弾痕。番組出演のためテレビ局にいた小鳥遊練無は、事件の核心に位置するアイドルの少女と行方不明に…。繊細な心の揺らぎと、瀬在丸紅子の論理的な推理が際立つ、Vシリーズ第4作。
amazonより引用
『魔剣天翔』
アクロバット飛行中の二人乗り航空機。高空に浮ぶその完全密室で起こった殺人。エンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣をめぐって、会場を訪れた保呂草と無料招待券につられた阿漕荘の面々は不可思議な事件に巻き込まれてしまう。悲劇の宝剣と最高難度の密室トリックの謎を瀬在丸紅子が鮮やかに解き明かす!
『魔剣天翔』森博嗣著 講談社文庫出版 (2003/11/15)より引用
『恋恋蓮歩の演習』
世界一周中の豪華客船ヒミコ号に持ち込まれた天才画家・関根朔太の自画像を巡る陰謀。仕事のためその客船に乗り込んだ保呂草と紫子、無賃乗船した紅子と練無は、完全密室たる航海中の船内で男性客の奇妙な消失事件に遭遇する。
『恋恋蓮歩の演習』森博嗣著 講談社文庫出版 (2004/7/15)より引用
交錯する謎、ロマンティックな罠、スリリングに深まるVシリーズ長編第6作!
『六人の超音波科学者』
土井超音波研究所、山中深くに位置し橋によってのみ外界と接する、隔絶された場所。所内で開かれたパーティに紅子と阿漕荘の面々が出席中、死体が発見される。爆破予告を警察に送った何者かは橋を爆破、現場は完全な陸の孤島と化す。真相究明に乗り出す紅子の怜悧な論理。美しいロジック溢れる推理長編。
『六人の超音波科学者』森博嗣著 講談社文庫出版 (2004/11/15)より引用
『捩れ屋敷の利鈍』
エンジェル・マヌーヴァと呼ばれる宝剣が眠る“メビウスの帯”構造の巨大なオブジェ様の捩れ屋敷。密室状態の建物内部で死体が発見され、宝剣も消えた。
『捩れ屋敷の利鈍』森博嗣著 講談社文庫出版 (2005/3/15)より引用
そして発見される第二の死体。屋敷に招待されていた保呂草潤平と西之園萌絵が、事件の真相に至る。S&MシリーズとVシリーズがリンクする密室ミステリィ。
『朽ちる散る落ちる』
土井超音波研究所の地下に隠された謎の施設。絶対に出入り不可能な地下密室で奇妙な状態の死体が発見された。一方、数学者・小田原の示唆により紅子は周防教授に会う。彼は、地球に帰還した有人衛星の乗組員全員が殺されていたと語った。空前の地下密室と前代未聞の宇宙密室の秘密を暴くVシリーズ第9作。
『朽ちる散る落ちる』森博嗣著 講談社文庫出版 (2005/7/15)より引用
『赤緑黒白』
鮮やかな赤に塗装された死体が、深夜マンションの駐車場で発見された。死んでいた男は、赤井。彼の恋人だったという女性が「犯人が誰かは、わかっている。それを証明して欲しい」と保呂草に依頼する。そして発生した第二の事件では、死者は緑色に塗られていた。シリーズ完結編にして、新たなる始動を告げる傑作。
『赤緑黒白』森博嗣著 講談社文庫出版 (2005/11/15)より引用
まとめ
今回は、Vシリーズの読む順番についてまとめました。
S&Mシリーズとの関連性や、読む順番に悩んでいる方の参考になれば幸いです。