植村直己の登山本を全部読んでみた感想。読む順番・あらすじも

この記事では、植村直己さんの著書5冊の感想や楽しみ方についてまとめました。明確に1巻・2巻と書かれているわけではないため、読む順番とあらすじもご紹介しています。

目次

植村直己の登山本を全部読んでみた感想

植村直己さんは、日本人で初めてエベレストに登頂し、世界初の五大陸最高峰の登頂者となった冒険家です。

登山以外にも、北極を犬ぞりで移動し世界で初めて北極点に到達したという記録も持っています。後にアメリカのデナリで単独登山中に消息不明となり、現在も見つかっていませんが、1984年に国民栄誉賞を受賞されています。

そんな彼が書いた本を読んだ感想として感じたのは、彼は特別な選ばれし者ではなかったということ。

これだけの経歴の持ち主であれば、自分なんかとは違う、さぞかし凄い才能の持ち主なんだろうと思ってしまいそうですが、彼の手記を読むと、その考えは間違いであると気づかされます。

普通のどこにでもいる青年が自分に何ができるのか思い悩み、他者に劣等感を感じながら生きていた記録は、一般人である私たちの生き方にもヒントを与えてくれると思い、今回ご紹介することにしました。

植村直己の著書の楽しみ方

家にいながらエベレストにも北極にも行ける

たとえ冒険に興味があっても、エベレストや北極なんてそう簡単に行ける場所ではありませんよね。

でもこの本を読めば、安全な家の中でいつでも冒険に旅立つことが出来ます。

これぞ読書最大のメリットではないでしょうか。

標高8800メートルの高所で起きる心身の変化、マイナス20度以下の氷の世界。

そこで植村さんがどう過ごして、どんな問題が起こるのか。

その問いの答えが書いてあります。

自分との向き合い方を学ぶ

今回ご紹介する5冊の書籍は、そのほとんどが実際に山の中にいる時、北極を旅している時に日記形式で執筆されたものです。

その性質から、植村さんの喜びや希望、時には不安や焦りがダイレクトに伝わってくるのですが、

この悲喜交々がストレートに感じられる事こそが、植村さんの著書の最大の特徴といえるでしょう。

彼の成し遂げた事は本当にすごい事ですが、蓋を開けてみれば、彼もまた“普通の人”であったんだと実感できるからです。

自分とは違う、特別な選ばれし者なのではなく、私たちと同じように人生を見つめ、劣等感に思い悩み、自分を奮い立たせながら必死に生きていたんだということが文章からひしひしと伝わってきます。

エベレストや北極と、状況は特殊ですが“自分の弱さ”と向き合う植村さんの生き方から、考え方のヒントが見つかるかもしれません。

死生観について考えてみる

先述の通り、植村さんはかつて誰も成し遂げたことのない挑戦をされていた訳ですから、その冒険にはいつも危険が伴います。

一歩間違えれば命を落としてしまう過酷な状況で、実際に犠牲者が出てしまう辛いシーンもありますが、これは全て実話。本当に起きた事なのです。

死について考える事は不安や焦りを生む一方で、人としてどうありたいかを見つめ直し、人生を豊かにしてくれる事もあると思うのです。

植村さんを通して追体験することで、改めて死生観について考え直してみるのはいかがでしょうか。

植村直己の読む順番・あらすじ・レビュー

1冊ごとに完結するので、基本的にどの順番から読んでも楽しめます。

登山を始めたきっかけや、北極に行くことになった経緯が時系列で分かりやすいのは出版順なので、今回は出版順に記していきます。

タイトル発売日(文庫版)
青春を山に賭けて1977年1月25日
極北に駆ける1977年11月25日
北極圏一万二千キロ1979年7月25日
北極点グリーンランド単独行1982年8月25日
エベレストを越えて1984年12月25日

『青春を山に賭けて』あらすじ・レビュー

植村直己さんが登山を始めるきっかけとなった、一番初めのストーリーです。

若かりし頃の植村さんが周囲への劣等感から登山にのめり込んでいく様は、彼もまた“普通の人”だったのだなと共感できる部分が多くありました。

周囲になじめず、孤独感を感じてしまった時に読みたい1冊です。

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『極北に駆ける』あらすじ・レビュー

南極大陸横断を実現するべく、極地の環境に慣れるため、身一つでグリーンランドへ降り立った植村直己。

ここでのエスキモーとの生活はカルチャーショックそのもの。

初めから上手くいく訳もなく苦悩する様、新天地でコミュニティを築いていく様は、私たちの日常生活でも参考になる部分があります。

上手くいかず停滞している時、悩んでいる時におすすめの1冊です。

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『北極圏一万二千キロ』あらすじ・レビュー

前作『極北に駆ける』で準備が整い、いよいよグリーンランドの旅に出ます。

周りには人家もなく、見渡す限り、氷の世界。いるのは犬ぞりを引いてくれる犬たちと、植村さんのみ。

そんな状況で次々起こるアクシデント。その一つ一つにどう対応するのか?植村さんの“人間力”が試されます。

絶体絶命の大ピンチも描かれているはずなのに、ぐっと絞られる登場人物の少なさに、不思議と静かな気持ちで読み進められます。

自分の心とどう向き合うのか?が問われる1冊

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『北極点グリーンランド単独行』あらすじ・レビュー

グリーンランドの旅の後編パートです。

犬ぞりを引く犬たちのチームワークに悩まされ、またある時は悪路に悩まされ……

限られた物資しかない状況で、植村さんはどのように切り抜けるのか?

犬たちとの関係性にも変化が生じ、冒険家としてのレベルが上がっていく様子が記録された1冊。

現状を嘆いて諦めるのではなく、自分にできることを精一杯やる植村さんの姿勢にハッとさせられる人も多いはずです。

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『エベレストを越えて』あらすじ・レビュー

植村直己さんの数々の冒険の中でも、エベレストに特化した1冊。

今でこそルートが開かれ、ツアーが組まれたりもしますが、植村さんが挑戦されていた頃は前人未踏の山であったエベレスト。

過酷な状況に命を落とす人も現れ、目を背けたくなるシーンも描かれています。

彼らの挑戦があってこそ、現代の登山文化があるのでしょう。

エベレストでの描写が一番多いのは本書ですので、山に興味がある方におすすめです。

死生観や、人としての在り方について考えさせられる1冊。

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まとめ

植村直己さんの書籍は、冒険を通して私たちに様々なことを教えてくれます。

あなたも次の週末、自宅のリビングで、地の果てに、世界一高い山に出かけてみてはいかがでしょうか。

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