児童文学というと、その名の通りこども向けのストーリーなのですが、
じつは、大人の私たちでもハッとさせられるような、気づきや学びがたくさん詰まっています。
忙しい日々の中で忘れてしまいがちな大切なことを思い出させてくれたり、考えすぎて煮詰まった気持ちをほぐしてくれたり。
今回は、大人のあなたにこそおすすめしたい児童文学をご紹介します。
あなたにとっての、良き一冊が見つかりますように。
懐かしい!大人にもおすすめの児童文学10選
今回は、大人の私が読んでも学びがあるなと感じた作品を10冊セレクトしました。
児童向けの内容ですので、疲れている時でもストレスなく読めるはずです。
冒険物語から日常を描いたものまで、さまざまなジャンルを集めましたので、お気に入りの1冊が見つかれば幸いです。
- くまのパディントン
- ムーミン
- 赤毛のアン
- ナルニア国物語
- モモ
- ゲド戦記
- 若草物語
- オズの魔法使い
- 魔女の宅急便
- 長くつ下のピッピ
くまのパディントン
ロンドンにあるパディントン駅で、親切なブラウンさん一家に拾われたくまのパディントン。
まじめでいい奴。なのに、いつもトラブル続きで周囲を困らせてしまうのですが、いつも全力投球なパディントンの姿勢に人々は心を動かされます。
人との関わり方、物事への取り組み方で悩んでいる方はパディントンがヒントをくれるかもしれません。
シリーズもので13冊出版されていますが、1冊の中に8つほどの短編が収録されている連作短編集ですので、どこから読んでも大丈夫ですし、時間がなくてもサクッと読めます。
1冊ずつの内容を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
ムーミン
イラストでお馴染みかと思いますが、実はもともと小説だということをご存知でしょうか。
あのかわいいキャラクターたちがそれぞれ自分の人生を生きていて、時には教訓めいたセリフを言い、哲学的な要素がたくさん詰まっているのです。
ずっと手元に置いておき、その時々の自分に必要なことを教え導いてくれる1冊になることでしょう。
人生に悩んだとき、決断に迷ったときに読んでみてください。
9冊まで発行されているシリーズものですが、1話完結型なのでどこから読んでも大丈夫です。
1冊ずつの内容を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
赤毛のアン
孤児院から引き取られてきたアンは気が強く、周囲の人々とぶつかってばかりでトラブルメーカーのような存在に。
しかし、親代わりのカスバート兄弟や親友のダイアナたちのおかげで、少しずつ分別のある少女へと成長していきます。
はじめは少女だったアンが、シリーズを通して結婚し母になっていくので、その時々の自分と重ね合わせながら読むことができるのがポイント。
ふと立ち止まって考えたい時に読み返したい、人生のバイブルにもなりそうです。
11巻まで発売されており、1話完結型ですがアンが歳をとっていきますから時系列で読むことをおすすめします。
出版順と1冊ずつの内容を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてみてください。
ナルニア国物語
映画化されたことでも話題になりましたよね。
ナルニア国を守るため若い4人兄弟が立ち上がるのですが、敵に騙されそうになったり、時には誘惑に負けそうになりながら懸命に自分を振り立たせる姿は大人顔負けで、ハッとさせられるシーンがたくさんありました。
戦いを通して自分の弱さに気づき、成長していく姿に胸が熱くなること間違いなし。明日からまた頑張ろうと思える冒険物語です。
1巻完結型ですが、子供たちが成長していくので出版順に読むのがおすすめです。
出版順と1巻ごとの詳しいストーリーは下記の記事を参考にしてみてください。
モモ
少女モモが「時間どろぼう」と戦い、人々の「時間」を取り戻すストーリー。
ファンタジー要素と、挿絵の美しさに心が癒されます。この挿絵、なんと作者のミヒャエル・エンデさん自ら描かれているのだとか。
はじめは、ゆとりがあって楽しそうに暮らしていた大人たちが「灰色の男たち」の影響でどんどん時間を惜しむようになっていくシーンではギクリとさせられました。
効率化社会、時間との戦いを強いられているすべての現代人におすすめしたい、少し立ち止まって、自分にとっての幸せのあり方を考えさせてくれる1冊。
ゲド戦記
スタジオジブリが映画化したことでご存知の方も多いのではないでしょうか。
魔法という特殊な能力を持って生まれたハイタカ。彼が魔法学校に入り己を鍛え、たくさんの困難を乗り越えて伝説の魔法使いになるまでを描いたストーリーです。
伝説の魔法使いでもほろ苦い失敗談があり、時には判断を誤ってしまうこともあるんだなと救われる思いがしました。
くじけそうな時にこの本を開いてみてください。自分の心の弱さとの向き合い方を教えてくれます。
若草物語
舞台はアメリカ、南北戦争時代の真っ最中。貧しい暮らしにもめげず、4人姉妹が力を合わせて明るく前向きに暮らしていくストーリーです。
12歳〜16歳の姉妹たちが、子供から大人へと成長していく過程の中で、自分の弱点と向き合ったり時にはぶつかり合いながら成長していく様子に、大人の私でも見習うべき心構えがたくさんありました。
特にハッとさせられたのは、彼女らの日々の過ごし方の工夫。お金がなくても心がけひとつでこんなに楽しく充実した毎日が送れるんだなと気づかされます。
日々の暮らしを良くするヒントが満載です。ぜひ手に取ってみてください。
オズの魔法使い
オズの国に迷い込んでしまったドロシーは、元の家に帰してもらうため、魔法使いに会いにいくことに。
その道中で、ドロシーはさまざまな仲間と出逢います。
仲間たちは「自分には足りないものがあるから、魔法使いにお願いしよう」と、ドロシーのお供になってくれるわけですが、欲しい、足りないと思うものは、実はもう持っているかもしれない。ということを教えてくれるストーリーに、ハッとさせられます。
周りにばかり目を向けるのではなく、自分自身に目をむけることも大切だと、魔法使いが教えてくれます。
魔女の宅急便
スタジオジブリの作品としてご存知の方が多いのではないでしょうか。
実はこちら、原作があって6冊からなるシリーズものなのです。
主人公のキキは魔法使い。独り立ちするため親元を離れ、知らない町で孤軍奮闘する姿に背中を押してもらえます。
はじめは上手くいかなくても、努力していれば必ず見ていてくれる人はいる。そんなことを教えてくれる作品です。
新しい暮らしにいっぱいいっぱいな時こそ読んでほしい、キキの成長物語。
長くつ下のピッピ
破天荒で自由気ままな暮らしをしているピッピ。
馬に乗って学校へ行ったり、床の上でクッキーを作ったり。社会のルールや常識はどこ吹く風の言動に、戸惑いを感じる方もいるかもしれません。
もちろん、彼女とまったく同じように振る舞う必要はありませんが、自分の気持ちを大事にすることの大切さに気づかされ、必ずしもみんなと一緒じゃなくてもいいんだと教えてくれます。
同調圧力や、生きづらさを感じている時にぜひ読んでほしい1冊です。
懐かしい児童文学を読もう
今回は、大人のあなたにこそおすすめしたい児童文学をご紹介しました。
こども向けと侮るなかれ。大人になってからも大切にしたいことがたくさん詰まっています。
疲れて心がささくれ立っている時、寝るまえのリラックスタイムのおともに、ぜひ手に取ってみてください。
小さな主人公たちが、あなたの心をほぐしてくれるかもしれません。