『のぼうの城』感想・レビュー・あらすじ|リーダーの資質とは

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当記事は和田竜著『のぼうの城』の書評です。

「みんなをまとめるリーダー」と聞くと、どんな人物をイメージしますか?

テキパキと指示を出してくれる人?自分が率先して前に立ってくれる人?
ひとくちにリーダーと言っても、いろいろなタイプのリーダーがいますよね。

では、リーダーに必要な資質って何だと思いますか?

今回ご紹介する小説の主人公は、およそリーダーらしくない、ちょっぴりどんくさい武将。そう、歴史小説です。

まったくリーダータイプじゃないのになぜか人から支持される「どんくさ武将」から、チームのまとめ方、リーダーの在り方を学んでみてはいかがでしょうか。

あなたにとっての、良き一冊となりますように。

目次

『のぼうの城』あらすじ

『のぼうの城』あらすじ

戦国期、天下統一を目前に控えた豊臣秀吉は関東の雄・北条家に大軍を投じた。そのなかに支城、武州・忍城があった。周囲を湖で取り囲まれた「浮城」の異名を持つ難攻不落の城である。秀吉方約二万の大軍を指揮した石田三成の軍勢に対して、その数、僅か五百。城代・成田長親は、領民たちに木偶の坊から取った「のぼう様」などと呼ばれても泰然としている御仁。武・智・仁で統率する、従来の武将とはおよそ異なるが、なぜか領民の人心を掌握していた。従来の武将とは異なる新しい英傑像を提示した四十万部突破、本屋大賞二位の戦国エンターテインメント小説!

『のぼうの城』和田竜著 小学館文庫出版 (2010/10/11)より引用

主人公の成田長親(通称・のぼう様)は、現在の埼玉県にある忍城を本拠地とした成田家の嫡男です。

この時代、武将といえばビシッとしていて近寄り難いイメージがありますが、のぼう様はどうも従来のイメージとは違うようで……。

豊臣秀吉に戦を仕掛けられ、ピンチを向かえた成田家を統率することになるのですが、いわゆるリーダータイプではない彼の、総大将としてのお手並みはいかに⁉︎

リーダーの在り方とは?を問うてくる歴史小説。
現代を生きる私たちにも、仕事やチームワークに悩んだ時の「気づき」になるかもしれません。

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『のぼうの城』感想・レビュー

『のぼうの城』感想・レビュー

リーダーに求められることってなんだろう。本書を通して、そんなことを考えさせられました。

のぼう様はおっとりした性格で、統率力は正直あまり高くありません。にもかかわらず、結果として彼は他の武将よりも上手にチームをまとめていました。

この当時、戦といえば家や家族をを守るために「仕事」として参加する人が多かったのですが、のぼう様は日ごろから一般市民と交流しており、人望があるので「のぼう様のために」戦ってくれる人がたくさんいたんですね。

一般市民がのぼう様のために奮起するシーンには胸が熱くなりました。

3つのポイントに整理して、本の感想をお伝えします。

POINT1. リーダーの資質とは?

タイトルの「のぼう」とは、主人公・成田長親のニックネームなのですが、なんと「でくのぼう」から取ったもの。武将なのに、めちゃめちゃバカにされている……!

この「のぼう様」、日頃から農民の畑仕事を手伝ったり、一般市民と普通に話したり、とってもフランク。身分のちがう武家が一般市民の仕事を手伝い、ましてや直接会話を交わすなんてこの時代ではちょっとありえないこと。

ですが、そのお陰で一般市民からとっても愛されていて、ピンチに追い込まれた時に彼の人望が実を結びます。

日頃の信頼関係がないと、たとえ戦の時にリーダーシップを発揮されてもモチベーションは上がりませんよね。

損得勘定なしに付き合ってくれるからこそ「この人のために頑張ろう」と思えるものです。のぼう様の行いから、引っ張っていくだけがリーダーじゃないと教わりました。

POINT2. 個性豊かなキャラクター

歴史小説って、時代も価値観も今と違いすぎて共感しにくい時がありますよね。ですが本書は心理描写が多く、キャラクターそれぞれの性格や人物像がわかりやすいので大丈夫。

主人公である「のぼう様」は成田家側の人間ですが、戦を仕掛ける側である豊臣家の人物もしっかり描かれており、キャラクター・人間関係・それぞれの想いが伝わってきます。

敵・味方関係なく魅力的な人物がたくさん登場しますので、あなたもきっと好きな人物が出てくるでしょう。

史実に基づいているので、ほぼ全員が実在した人物。
気になった人物がいればぜひ調べてみてください。歴史を知るきっかけになれたら幸いです。

POINT3. 題材がおもしろい

そもそも、成田長親という戦国武将をご存知ですか?成田家は埼玉にある忍城というお城を本拠地とする一族だったそう。

歴史小説というと、題材に選ばれることが多いのはやはり文献が多く残っている織田信長などの有名武将が多いかと思いますが、本作は豊臣秀吉に戦を仕掛けられた側の地方大名視点で描かれた、少しめずらしいストーリー。

秀吉の「日本三大水攻め」のひとつに数えられた戦いですが、教科書ではあまり大きく取り扱わない題材ですので歴史の勉強にもなりますし、ちょっと変わった歴史小説が読みたい方にもおすすめ。

『のぼうの城』感想・まとめ

今回は、リーダーの資質について考えるきっかけをくれる、そんな歴史小説をご紹介しました。

仕事での人間関係やチームのまとめ方に悩んだとき、のぼう様からリーダーの在り方を学んでみてはいかがでしょうか。

あなたの心がスッと軽くなるきっかけになれたら、幸いです。
ぜひ手にとってみてください。

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この記事を書いた人

これまでに何百冊もの小説を読んできました。その中から特に心に残った一冊を、少しずつ書評としてまとめています。

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