『星の王子さま』感想・レビュー・あらすじ。立ち止まって考えてみる。

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当記事は『星の王子さま』の書評です。

言わずと知れた名作。子供向けのイメージがあるかと思いますが、むしろ私は大人にこそおすすめしたいと思います。

忙しい日々の中でなんだか最近疲れているな。自分のやりたいことって何だっけ?そんな時に一度立ち止まって考えるヒントをくれるかもしれません。

あなたにとって、良き1冊となりますように。

目次

『星の王子さま』とは?

『星の王子さま』は、1943年にアメリカで出版された児童向け文学。

パイロットとして従事していた著者が実際に体験した、リビア砂漠での墜落事故を元にしたストーリー。

初版以来、200以上の国と地域の言葉に翻訳されているベストセラー。

『星の王子さま』あらすじ

砂漠に飛行機で不時着した「僕」が出会った男の子。それは、小さな小さな自分の星を後にして、いくつもの星をめぐってから七番目の星・地球にたどり着いた王子さまだった……。一度読んだら必ず宝物にしたくなる、この宝石のような物語は、刊行後六十年以上たった今も、世界中でみんなの心をつかんで離さない。最も愛らしく毅然とした王子さまを、優しい日本語でよみがえらせた、新訳。

『星の王子さま』サン=テグジュペリ著 新潮文庫出版 (2006/4/1)より引用

砂漠で出会った「僕」と王子さま。

風変わりな王子さまに初めは戸惑う「僕」ですが、一緒に過ごすうち、お互いからさまざまな影響を受け次第に変化していく──。

「忘れてしまった何か」を思い出させてくれる、大人も子供も楽しめる1冊です。

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『星の王子さま』感想・レビュー

「ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。いちばんたいせつなことは、目に見えない」本書に出てくる言葉です。

なんだか心に沁みますね。

児童向けで挿絵もあるためすぐに読み切れるのですが、書いてあることは誰の人生にとっても大切なことばかりで、大人にこそ読んでほしい内容でした。

忙しい日々をやりくりするのに精一杯で忘れてしまいがちな、本質的な事を思い出させてくれるストーリーで、世界中で人気がある理由がわかった気がします。

楽しみ方を、3つのポイントに絞って解説します。

何のために?を考える

王子さまは見聞を広めるため、いろいろな星を訪ねます。星ごとにいろいろな人が住んでいて、王さまや酒びたり、実業家など実にさまざまな人と出逢います。

その度に、どうしてその生き方を選んだのか聞いてみるのですが、明瞭な解答が得られず、何よりどの人たちもさほど幸福そうではありません。

その様子に、王子さまは違和感を感じます。

私たちも大人になるにつれ「普通こうだから」「みんなやっているから」と、気持ちが動いていないのに何となくしてしまっていることがあると思います。

大人として振る舞うこと自体は悪いことではありませんが、一石を投じられて、大人の皆さんはギクッとするシーンもあることでしょう。

これをきっかけに「何のために?」を自分に問いかけ、棚卸しをしてみるのはいかがでしょうか。

他者から学ぶ

王子さまと「僕」の出会った当初は、あまりの価値観の違いに会話もチグハグで、何処か“ぎくしゃく”しているのですがお互いのさまざまなことを話すうち、次第に呼吸があってきます。

対話から、自分にはない価値観を学び気づきを得ることは、お互いの人生を豊かにしてくれる理想的なコミュケーションと言えるのではないでしょうか。

たくさんの価値観があることを知った上で、自分にとって大切にしたいことは何なのか?

自分はこのストーリーに出てくる「星」に住む「どの人」みたいになりたいか?

読む年代によって、感じ方も変化していくと思うので、手元に置いて読み返すことで心の滋養になりそうです。

著者の創造力に思いを馳せる

『星の王子さま』の表紙を見たことがあるでしょうか。王子さまが惑星に佇んでいるあのイラストです。

本書を読んだことのない方でも、このイラストは見覚えがあるという方もいるのではないでしょうか。

このイラスト、実は著者のサン=テグジュペリ自身が描いているのです。

幼少期、画家に憧れていたそうで、ストーリーの中にもこの可愛らしいタッチの挿絵が度々登場するのですが、驚かされるのはその表現力。

これはストーリーにも言えることなのですが、大人になってからよくこの絵が描けたな、このストーリーが紡ぎ出せたな、と。

ですので、小説としてだけでなく挿絵も含めたアート作品のような感覚で手にとってみるのもありです。

挿絵込みで140ページ程度ですので、普段読書をあまりしない方にもおすすめです。

『星の王子さま』の著者について

『星の王子さま』の著者であるサン=テグジュペリは、航空会社のパイロットとして働く傍ら小説を書き続け、小説家としても活躍しました。

本業は作家ではなかった、というのが驚きですね。

また本来は大人向けの小説が多く、代表作にはパイロットとしての経験を元に執筆された『夜間飛行』(1931年)や『人間の土地』(1939年)などがあり、日本語訳も出版されています。

『星の王子さま』の感想・まとめ

今回は、名作『星の王子さま』をご紹介しました。

自分が大切にしたいことは何なのか?王子さまと「僕」のやり取りから、改めて考えるきっかけをもらえるはずです。

次の休日に、ぜひ手に取ってみてください。

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