今回は、C・S・ルイス著『ナルニア国物語』シリーズ7冊の読む順番とあらすじをまとめます。
映画化されたことでご存知の方も多いのではないでしょうか。
じつは原作があり、7冊からなるシリーズものなんです。
作品数が多く、読む順番がわからないという読者の方も多いと思います。
そんな方の参考になれたら幸いです。
『ナルニア国物語』シリーズとは?
アイルランド出身の作家、C・S・ルイスが発表した全7冊からなるファンタジー小説。
4人兄弟がナルニア国を守るために奮闘し、戦いを通して成長していくストーリー。
後に映画化されたことでも話題となった。
『ナルニア国物語』シリーズの楽しみ方
子どもたちの成長
まだ10代の少年少女たちが時には国の存続をかけて、また時には人助けのために奮闘するのですが、とはいえまだ子どもなので誘惑に負けそうになったり、時には兄妹の絆の強さを試されるようなことも。
失敗して落ち込む姿や、保身から嘘をついてしまうシーンなんかは、誰にでも身に覚えのある経験なのではないでしょうか。
戦いを通して自分の弱さと向き合い、成長していく姿は人の一生そのものであると気づかされます。
悩んでいる時や、停滞を感じている時期に手にとってみてください。主人公たちを通して、自分と向き合うきっかけがもらえるかもしれません。
時代背景の違い
本シリーズには、作者であるC・S・ルイスさんの思想が、随所に色濃く反映されているように思います。
戦時中である1940年代に執筆されたこと、クリスチャンであることなどから、現代を生きる日本人とは異なる価値観や表現に、驚きと新鮮さを感じる方も多いのではないでしょうか。
その思想の違いを楽しむこともできますし、生きる時代や思想が異なっていても、生きる上で大切なことは変わらないんだなと感じることもできます。
他の国で、他の時代に描かれた物語を通して、新たな視点や価値観の発見があるかもしれません。
世界観に浸る
主人公の4人兄弟は20世紀のイギリスに暮らしているのですが、ナルニア国とは、なんと家のクローゼットの中でつながっているのです。
創造主はライオンのアスラン。言葉が話せる動物たちや、魔女が暮らしています。
この世界観の設定がしっかりしていて、ナルニアの周辺諸国で暮らす人々や、社会情勢までしっかり描き込まれているので、まるで自分もその世界にいるような気にさせてくれるのが、このシリーズのすごいところ。
あの『ハリーポッター』シリーズの作者であるJ・K・ローリングさんも、幼少期にナルニア国シリーズを読んで影響を受けたのだとか。
ここが、大人が読んでも楽しめる所以なのではないでしょうか。ファンタジー好きにはぜひ手にとっていただきたいシリーズです。
『ナルニア国物語』シリーズの読む順番とあらすじ
表は原作の出版順になります。私は表の順で読みましたし、ストーリー上なんの問題もありませんが、ナルニア国の成り立ちから時系列で読みたい方は、下記の順番で読み進めると時系列に沿った順番で読めます。
魔術師のおい→ライオンと魔女→馬と少年→カスピアン王子のつのぶえ→朝びらき丸 東の海へ→銀のいす→さいごの戦い
今回は、出版順でご紹介していきたいと思います。
タイトル | 発売日(岩波少年文庫版) |
ライオンと魔女 | 2000/6/16 |
カスピアン王子のつのぶえ | 2000/6/16 |
朝びらき丸 東の海へ | 2000/6/16 |
銀のいす | 2000/6/16 |
馬と少年 | 2000/11/17 |
魔術師のおい | 2000/11/17 |
さいごの戦い | 2000/11/17 |
ライオンと魔女
地方の古い屋敷にやってきた4人きょうだいが、ある日大きな衣裳だんすに入ると、そこは雪の降りつもる別世界、ナルニア国だった。ナルニア国ものがたりシリーズ第1作。
amazonより引用
ペペンシー兄妹が、はじめてナルニア国に足を踏み入れます。
白い魔女と出会った弟のエドマンドは、美味しいお菓子につられて兄妹たちの情報を聞かれるがままに答えてしまいますが……。
ナルニアを救うため、戦いを通して自分の弱さと向き合い、成長していく子どもたち。
4人それぞれの個性が際立っているので、きっとお気に入りのキャラクターが見つかるはずです。
カスピアン王子のつのぶえ
魔法の力でナルニアへ呼び戻された4人きょうだい。暴君のもとで荒廃しきったナルニアで、4人は殺されかけた王子を助ける。ナルニア国ものがたりシリーズ第2作。
amazonより引用
20世紀のイギリスで平和に暮らしていたペペンシー兄妹。
ある日突然、ナルニアの世界に再び呼び戻されますが、前回行った時とはだいぶ時代も情勢も変わっているようで……。
後の『朝びらき丸 東の海へ』以降も主役級として登場するカスピアン王子と兄妹たちが、力を合わせて戦います。
前作『ライオンと魔女』の頃よりも、ほんの少しお兄さんお姉さんになった兄妹たちの成長した姿にも注目です。
朝びらき丸 東の海へ
いとこの家に来ていたエドマンドとルーシィは、部屋の額の絵の中へ吸いこまれる。そこはナルニアの外海で、カスピアン王が航海に出るところだった。ナルニア国ものがたりシリーズ第3作。
amazonより引用
今回は、ペペンシー兄妹のうちの末っ子2人・エドマンドとルーシーが活躍します。
いとこのユースチスの家に遊びに来ていた2人は、船が描かれた絵に吸い込まれ、ナルニア国に来てしまいます。
カスピアン王子と再会し、共に旅に出ることになりますが、ユースチスのある行動によりトラブルが起きてしまって……。
はじめは、自己中心的な振る舞いが多かったユースチスの成り行きにも注目です。
銀のいす
願いのことばを唱えて別世界に入った女生徒ジルは、行方不明のナルニアの王子をさがすことを命じられ、北へ北へと旅をかさねる。ナルニア国ものがたりシリーズ第4作。
amazonより引用
前作『朝びらき丸 東の海へ』にも登場した、ペペンシー兄妹のいとこ・ユースチスが、友人のジルとナルニア国に迷い込みます。
カスピアン王子も王となり、息子・リリアンが誕生していたのですが、行方不明になったままだとか。
ユースチスとジルは、リリアン王子の消息を追うため旅に出ます。
今回初登場のジルが、作品を通して成長していく姿に注目です。
馬と少年
漁師の養子シャスタは、奴隷に売られることを知り、ものいう馬ブレーとともにナルニアめざして逃げ出します。一行は途中で、ナルニアを不意打ちしようとする強国カロールメンの計略を知り、先を急ぎますが…。
amazonより引用
本書は、シリーズ1作目である『ライオンと魔女』の後、ペペンシー兄妹が国を治めた時代に起きた周辺諸国でのストーリー。
今回は、現代からナルニアに送り込まれるのではなく、元々ナルニアの隣国で暮らしていたある少年の物語ですので、スピンオフのような形で楽しめる作品です。
話ができる馬と少年が旅に出るのですが、道中ある事実を知ってしまい、ナルニアへと向かいますが……。
自分で決めたことをやりきる大切さを教えてくれるストーリーです。
少し成長したペペンシー兄妹の様子も感じることができます。
魔術師のおい
別世界へ送りこまれたディゴリーとポリーが、死滅した都チャーンで魔女をしばる呪文をやぶったため、2人のいくナルニア国に悪の種がもたらされてしまいます。—―ナルニア国誕生のドラマを語ります。
amazonより引用
ナルニア国の誕生を描いたストーリー。
シリーズ1作目の『ライオンと魔女』では、すでに存在していたナルニア国がどのようにして誕生したのかを知ることができます。
本書を読むことで解ける謎もありますし、意外な人物がナルニア国に行ったことがあるという驚きの事実も。
時系列で言うと一番はじめの物語になりますので、ここから読み始めるもよし、私のように出版順に読んで「なるほど!そういうことだったのか!」という驚きに浸るもよし。
シリーズのファンにとってもたまらない1冊となるはずです。
さいごの戦い
大猿ヨコシマは愚かなロバにライオンの皮をかぶせてアスランを名のらせ、それが見破られると、こんどは、破滅の神タシをナルニアによびよせてしまいます。ジルとユースチスは、ナルニアを救うさいごの戦いへ。
amazonより引用
シリーズ最終作。
本作でも、ペペンシー兄妹のいとこであるユースチスと、友人のジルが活躍します。
嘘をつくとそこから猜疑心が生まれ、自分自身も周りを信じられなくなっていく……。という教訓を感じました。
結末の感じ方は人それぞれかと思いますが、ナルニアに求められているものが何なのかを考えさせられます。
自分の心、価値観と向き合いながら読んでみてください。
『ナルニア国物語』シリーズの読む順番とあらすじ・まとめ
今回は『ナルニア国物語』シリーズ7冊の読む順番とあらすじをご紹介しました。
教訓や学びが多く、大人の私たちでもハッとさせられることが詰まっています。
悩んでいる時や、停滞を感じている時期に手にとってみてください。主人公たちを通して、自分と向き合うきっかけがもらえるかもしれません。